Midnight

night
CoinYQ コイン史

トークンがチェーンより先に誕生し、分散化はその後を追う

Midnightの歩みは、一般的なチェーンのローンチとは順序が逆だった。NIGHTは、Midnightの永続的な台帳が始まる数か月前からCardano上で流通した。2026年3月のメインネット稼働でプライバシー対応アプリケーションは本番環境へ移ったが、ブロック生成者と委員会の鍵は既知の主体が担った。見るべきなのは単にMidnightが稼働しているかではなく、プライバシー、トークン、ガバナンスのどの機能が現在使えるかである。

12月にトークンが生まれ、3月に永続的な履歴が始まった

NIGHTは2025-11-25にCardanoのネイティブ資産として発行され、12月4日にローンチした。Midnightがメインネットへ近づく間にも、NIGHTは取引され、受取分の解除日程が進み始めた。Midnightのジェネシスブロックは2026-03-17 03:17 UTCに生成され、3月30日に本番稼働が始まった。

この順序を見るとCardanoとの関係が分かる。NIGHTの最初の発行と配布を管理する正本のコントラクトはCardano上に置かれたが、Midnightは独立したレイヤー1であり、ロールアップではない。Midnightのブロックや取引が1件ずつCardanoで決済されるわけではない。

Compactはアプリケーションごとにプライバシーの境界を引く

Compactプログラムは、公開台帳に記録する値と、利用者の端末に保持する非公開の入力・状態を分ける。ゼロ知識証明を使えば、ネットワークはすべての入力を知ることなく、状態の変更が正しいと確認できる。これにより、元の記録を伏せたまま条件を満たすことだけを証明する、選択的な開示が可能になる。

NIGHTは公開残高、DUSTは非公開の実行資源

NIGHT自体は秘匿されず、譲渡できる。保有者が登録すると、その残高は指定したMidnightアドレスにDUSTを生成する。現在、1 NIGHTは7日間で最大5 DUST分の実行容量を支えられる。使ったDUSTは焼却され、使わずに余った分は減衰する場合がある。

DUSTは通貨として送ることも、バリデーターへの支払いに使うこともできない。プロトコル上の役割は取引の実行容量に限られる。スポンサー機能では、アプリが利用者の鍵やNIGHTを預からず、利用者自身が承認した処理に必要なDUSTを負担できる。

この設計は手数料に伴うメタデータの直接的な露出を減らすが、システム全体を匿名にするものではない。NIGHTの残高やCardano上の登録関係は観測でき、アプリケーションの実装が不適切なら非公開の入力を漏らす可能性もある。

広く配った後にも、大きな支配ブロックが残った

Glacier Dropは2025-06-11時点のADA、BTC、ETH、SOL、XRP、BNB、AVAX、BATの保有状況を記録した。請求対象となる供給量のうち、Cardano参加者に50%、Bitcoin参加者に20%を割り当てる設計だった。Glacier DropとScavenger Mineを経て、実際に請求されたNIGHTは約45.474億枚となった。

2026年5月の最終表は、当初の幅広い参加設計とは異なる保有構成を示す。配分は財団 35%、準備枠 25%、請求済み利用者分18.9475%、TGE 15.25%、財務枠 5%、未請求分回収枠 0.8025%である。財団とTGEの合計は50.25%で、2025年12月10日からプロトコル上のロックがなかった。一方、利用者の受取分は25%ずつ4回に分けて解除される。

2つの台帳が非対称のロックで1つの供給量を映す

240億NIGHTはすべてCardanoとMidnightの両方に表現されるが、一方の台帳で利用可能な1枚は、もう一方ではロックされる。設計上の不変条件は、利用可能な実質供給量を240億枚以下に保つことであり、独立した供給量が2組あるわけではない。

メインネットの開始時点で、ブリッジの全機能が完成していたわけではない。CardanoからMidnightへの移転が先に段階導入され、逆方向の移転には追加のクロスチェーン観測機能を待つ必要があった。第三者が発行するラップド版は、元のトークンが持つDUST生成やガバナンス上の効用を自動的には引き継がない。

ジェネシス時点では13の運営者と2つの承認機関が統制する

現行の許可型ブロック生成者はAURAが選び、GRANDPAがブロックを確定する。ローンチ資料では初期連合の上限を13ノードとし、現時点ではブロック報酬を割り当てていない。財団は、そのうち2ノードを自ら運営し、残る運営者とは契約して報酬を支払うと説明している。

プロトコルとCardano側のパラメーターを変更するには、2つの機関の承認が必要である。Technical Authorityは9人中6人以上、Councilは6人中4人以上が賛成しなければならない。対象には構成員、ブロック生成者、ハードフォーク、台帳パラメーターが含まれる。

NIGHTによる投票、オンチェーンでの財務枠支出、準備枠を原資とする報酬は、後の分散化段階で導入する予定の機能である。それらが実装されるまでは、トークンの配分と運用上の支配権を別々の事実として見る必要がある。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2025-06-11
    8つのチェーンを対象とする記録でGlacier Dropの配分比率が決まる

    請求開始前の対象資産残高を記録し、請求枠の50%をCardano、20%をBitcoinに割り当てる。

  2. 2025-08-05〜2025-10-20
    Glacier Dropの請求期間

    Scavenger Mineで参加対象が広がる前に、35億NIGHT超が請求される。

  3. 2025-11-25
    Cardano上でNIGHTを発行

    Midnightの本番台帳が始まる前に、正式なCardanoネイティブ資産が作られる。

  4. 2025-12-04
    メインネットに先立ってNIGHTがローンチ

    Cardano上で取引と配布が始まり、コミュニティ分の段階的な解除は12月10日に始まる。

  5. 2026-03-17 03:17 UTC
    Midnightがジェネシスブロックを生成

    本番台帳で途切れない状態の履歴が始まる。

  6. 2026-03-30
    メインネットが正式稼働

    連合型の検証者モデルの下で、プライバシー対応アプリケーションが本番環境に入る。

  7. 2026-05-29
    最終版トークノミクスが実際の保有集中を記録

    改訂版資料が財団とTGEを合わせた50.25%の配分と、現行ガバナンスの境界を開示する。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-04

Midnightとはどんなコイン?

Midnightは、プライバシー機能をプログラムに組み込める独立したレイヤー1であり、Cardanoのパートナーチェーンでもある。カタログ上の`midnight-3`は、ポリシーIDが0691b2fecca1ac4f53cb6dfb00b7013e561d1f34403b957cbb5af1fa4、資産名NIGHTの16進表記が4e49474854であるCardano資産と一致する。NIGHTは2025年12月4日にCardano上でローンチした。Midnightの永続的な台帳は2026年3月17日のジェネシスブロックから始まり、3月30日に正式な本番稼働を迎えた。

パートナーチェーンはロールアップを意味しない。Midnightは自らブロックを生成・確定し、アプリケーションの公開状態と非公開状態を独自に保持する。CardanoはNIGHTが最初に発行されたネイティブ台帳と、正本となるクロスチェーン契約を担う。一方、Midnight側にも同じ240億枚が表現され、プロトコルのロック規則によって両方を同時に使えないようにしている。

どんな課題を解決する?

一般的なパブリックブロックチェーンでは、アプリケーションの状態が共有台帳に記録される。Midnightでは、Compactコントラクトが公開する値と利用者の端末内に置く非公開状態を指定し、ゼロ知識証明によって非公開の計算が正しいことを検証する。

ただし、これはすべてを自動的に秘匿する仕組みではない。NIGHT自体は秘匿されない公開資産であり、アプリケーションの公開項目も見える。コントラクトの実装によっては、開発者が非公開の値を開示することもできる。想定した境界を守るには、ウォレット、証明生成サーバー、インデクサー、アプリケーションコードも正しく機能する必要がある。

どのような技術と仕組みで動く?

NIGHTは譲渡できる資産であり、将来のガバナンス上の影響力と報酬の基盤になる。登録したNIGHTは、指定したMidnightのDUSTアドレスにDUSTを生成する権利を割り当てる。DUSTは秘匿され、譲渡できず、時間とともに再生成・減衰する。バリデーターへの支払いではなく、取引の実行容量を確保するために消費される。スポンサーは、利用者のNIGHTや鍵を受け取らずに、その利用者が承認した取引へDUSTを付けられる。

240億枚の供給量はCardanoとMidnightの両方に表現されるが、プロトコル上のロックと解除の状態により、実際に使える総量を240億枚以下に保つ設計である。展開はCardanoからMidnightへの段階的な移動から始まり、メインネットのローンチ時点では双方向の移転や、そのほかの実行容量市場は完成していなかった。

Glacier DropとScavenger Mineで受け取った分は、25%ずつ4回に分けて利用可能になる。最終版ホワイトペーパーの配分は、財団 35%、準備枠 25%、請求済み配布分18.9475%、Midnight TGE 15.25%、財務枠 5%、未請求分回収枠 0.8025%である。財団とTGEを合わせた50.25%は直ちにプロトコル上のロックが解除された一方、準備枠と財務枠は解除されていない。ローンチ時点でアップグレードには、9人のTechnical Authorityのうち6人と、6人のCouncilのうち4人の承認がともに必要である。ブロックを生成するのは、NIGHTを使った公開ステーキングではなく、許可を受けた連合ノードである。

重要ファクトの要約

  • Cardano上の正式な資産単位は、ポリシーID 0691b2fecca1ac4f53cb6dfb00b7013e561d1f34403b957cbb5af1fa4と、資産名NIGHT(4e49474854)の組み合わせである。
  • NIGHTは2025-12-04にローンチし、Midnightのジェネシスブロックは2026-03-17、正式なメインネット開始は2026-03-30だった。
  • NIGHTは公開されており譲渡できる。DUSTは秘匿され、譲渡できず、時間とともに減衰し、取引の実行容量として消費される。
  • 240億枚は2つの台帳に表現された1つの供給量であり、利用可能な供給が480億枚あるわけではない。
  • Glacier Dropは2025-06-11に8つのエコシステムを対象として残高を記録した。Glacier DropとScavenger Mineで実際に請求された総量は約45.474億NIGHTだった。
  • 財団の35%とTGEの15.25%を合わせると50.25%となり、どちらも2025-12-10からプロトコル上のロックが解除された。
  • コミュニティの請求分は25%ずつ4回に分けて解除される。450日間には解除期間と90日間の猶予期間が含まれる。
  • 現行ガバナンスではTechnical Authorityの6/9とCouncilの4/6の承認が必要である。最大13の許可型ノードは、ブロック報酬なしで運用を開始する。
  • 財団は13ノードのうち2ノードを運営し、残る運営者とは契約して報酬を支払うほか、現行ガバナンスにも加わる。保有者による投票は将来の機能である。

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よくある質問(FAQ)

MidnightはCardanoのレイヤー2ですか?

いいえ。MidnightはAURAによるブロック生成、GRANDPAによる確定処理、独自の台帳を持つ別個のパートナーチェーン型レイヤー1である。Cardanoには最初のNIGHTネイティブ資産と正本となるクロスチェーン制御が置かれるが、Midnightの取引がCardanoへロールアップされるわけではない。

手数料はNIGHTで支払いますか?

いいえ。登録したNIGHTがDUSTを生成し、そのDUSTが実行コストとして消費される。DUSTは譲渡できず、独立した資産として購入することもできない。ただし、保有者やアプリ運営者が別の利用者の手数料を肩代わりできる。

Glacier Dropで受け取ったトークンは一度に解除されましたか?

いいえ。請求に成功した分は25%ずつ4回に分けて利用可能になる。最初の解除日は最初の90日間の中から無作為に決まり、その後は90日ごとに解除される。法人などへの配分には別の規則が適用された。

現在、すべてのNIGHT保有者が投票や検証に参加できますか?

現行資料が説明するローンチ段階では参加できない。ガバナンスは連合体方式で、ブロック生成者も許可制である。トークン保有者の投票、財務枠資金の利用、準備枠を原資とするブロック報酬は、後の段階で導入する計画である。

非公開コントラクトなら、すべてのやり取りが見えなくなりますか?

いいえ。Compactの開発者が情報開示の境界を決める。証明は非公開の入力を隠せるが、公開状態、秘匿されないNIGHT、ウォレットの登録情報、意図的に開示された値は観測され得る。

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