USDC

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CoinYQ コイン史

ブロックチェーンは動き、銀行だけが閉じていた週末

CircleとCoinbaseはUSDCを共同のインターネットドル規格として育てた。5年後、閉鎖銀行に残った33億ドルが価格を1ドルから引き離し、回復とCentre解散を経て、誰が責任を負うのかは明確になると同時に一社へ集中した。

NevilleとAllaireがCentreをトークンへ変える

Circleは2016年、Centreを規制対応型ウォレット間送金のプロトコルとして発表した。2018年9月、Sean NevilleとJeremy AllaireはEthereumのERC-20を選び、それを具体的な商品へ変えた。銀行顧客はドルから発行・償還でき、ソフトウェアは公開スマートコントラクト上で同じトークンを渡せる設計だった。

最初の発行者はCircleだったが、制度上の約束は一社を超えていた。10月23日、CircleとCoinbaseはCentreを共同設立したと発表する。Coinbaseが交換と流通を加え、両社は他の認可発行者も共通規則へ招いた。初期USDCはCircle単独の商品というより、コンソーシアム規格として生まれた。

BlackRockのファンドが国債の満期を引き受ける

流通量の増加に伴い、Circleは複数銀行の預金だけで準備金を管理しなくなった。2022年11月3日、満期を迎える国債をBlackRock運用のCircle Reserve Fundへ移し始めた。BNYが保管するRule 2a-7政府マネー・マーケット・ファンドで、銘柄別保有を毎日開示しつつ、償還用の銀行現金も残した。

開示は詳しくなったが、ファンド持分と現金は同じではない。ファンドは短期国債、翌日物国債レポ、現金を持ち、銀行残高は送金を処理する金融機関に依存する。2025会計年度の報告にある約88%という比率は2025年12月31日時点の値であり、その後のすべての日に当てはまる数字ではない。

金曜日の送金が破綻銀行に突き当たる

Silicon Valley Bankは2023年3月10日金曜日に閉鎖された。Circleは約400億ドルの準備金のうち33億ドル、約8%が同行に残ったと明らかにした。週末も取引されるトークンでも、その銀行債権を即座にドルへ変えることはできなかった。

銀行レールとともに一次市場はほぼ止まったが、取引所は開いていた。連邦準備制度の研究者は後に安値を約0.86ドルと測定した。コントラクトが止まったのではなく、準備金現金と発行者償還をいつ利用できるかという疑念が価格に表れた。

Circleは不足が生じれば会社資金で補うと表明した。日曜日、米財務省、連邦準備制度、FDICは月曜日からSVBの全預金者が資金を利用できると発表した。現金へのアクセスとともに割引も解消し、回復がチェーン外の公的判断に依存したことが残った。

ArmstrongとAllaireがコンソーシアムを畳む

5か月後、Brian ArmstrongとJeremy AllaireはCentreが独立組織として存続しないと発表した。ステーブルコイン規制が成熟し、別の自主統治機関は不要になったという説明だった。Circleが発行、運営、統治、全スマートコントラクト鍵を取り込み、Coinbaseは出資して準備金収益の分配関係を続けた。

運営者をめぐる曖昧さは減った。多数発行者を迎えるはずだったコンソーシアムに代わり、一社が責任を負う形になったからだ。同時に介入権限も集中した。CircleのEVM設計は発行・焼却、全体停止、アドレスのブラックリスト化、役割変更、プロキシ実装の更新を認める。

二つの会計報告は別の問いを見る

月次準備金検証が見るのは狭く、日付のある問いである。指定された検査日に、記載された準備資産価値が流通USDC以上だったかを確かめる。週次の区分開示とファンドの日次保有情報が頻度を上げても、連続保証にはならない。これを会社の月次監査と呼ぶと範囲を誇張する。

Deloitteの2026年7月検証は7月31日の71,826,453,410 USDCと準備金公正価値71,904,101,332ドルを記録した。Circleの四半期報告は1か月前のファンド比率を約84%とした。どちらも特定日の観測値で、その前後すべての日への証明書ではない。

Circleが2025年6月にニューヨーク証券取引所へ上場すると、公開会社報告という別の層が加わった。2025年財務諸表に対するDeloitteのPCAOB監査意見はCircle Internet Groupと子会社の連結財務諸表を監査し、ステーブルコイン保有者預金を監査上の重要事項に挙げた。より広い年次監査だが、翌日の償還待ちを保証するものではない。

償還権は移っても資格までは移らない

EEA域外向け規約は、USDCを送れば次の保有者に条件付き償還権も譲渡されるとする。ただし直接行使には、対応地域の正常なCircle Mint口座、審査通過、法的制限がないこと、該当手数料が必要だ。口座を開けない人は市場で売るしかない。Circle Mint内のUSDCはFDIC預金保険やSIPC保護の対象ではなく、準備金利息も保有者に渡らない。

欧州の法的経路は異なる。Circle FranceのMiCA白書は同社をEEA発行者とし、EEA居住者がAML審査を経ていつでも額面償還を請求する権利を記す。同じ白書はCircle Mintでの新規発行を対応地域の機関に限定しており、発行資格と償還権を分けている。どのチェーンでも、同じティッカーのブリッジ版が同じ発行者約束を持つと考えず、Circle指定のネイティブコントラクトを確認する必要がある。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2018-09-26
    CircleがUSDCを公開

    Sean NevilleとJeremy AllaireがERC-20のドル建てトークンを発表し、CircleがCentre初の発行者となる。

  2. 2018-10-23
    Coinbaseが共通規格へ参加

    CircleとCoinbaseがCentreの共同設立を発表し、CoinbaseでUSDC交換を始める。

  3. 2022-11-03
    Circle Reserve Fundが始動

    Circleが満期国債をBlackRockのRule 2a-7政府マネー・マーケット・ファンドへ移し始める。

  4. 2023-03-10
    SVBに33億ドルが残る

    Circleが準備金の約8%が閉鎖銀行にあると公表し、二次市場価格が1ドルを下回る。

  5. 2023-03-12
    SVBの全預金者が保護される

    米当局がシステミックリスク例外を発表し、Circleの準備金預金を月曜日から全額利用可能にする。

  6. 2023-08-21
    Centreが解散

    Circleが発行、統治、運営、コントラクト鍵を引き継ぎ、Coinbaseは出資・商業パートナーとなる。

  7. 2024-07-01
    EEA発行がMiCA体制へ

    Circle Franceが電子マネー機関免許の下でEEA向けUSDC発行を始める。

  8. 2025-06-05
    Circleが公開会社になる

    Circle Internet Groupがニューヨーク証券取引所に上場し、発行者グループにSEC会社開示が加わる。

  9. 2026-03-09
    2025年会社監査が提出される

    Form 10-Kが連結財務諸表監査を公表し、月次準備金検証との範囲差を示す。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

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USDCとはどんなコイン?

USDCは、Circleの発行主体がオフチェーンの準備資産を裏付けに発行する米ドル建てトークンである。Sean NevilleとJeremy Allaireは2018年9月26日、Centreの最初の商品としてUSDCを発表し、Circleが初の発行者となった。数週間後、Coinbaseが共通規格と流通網に加わった。Centreの構想は、複数の認可発行者が一つの償還可能なデジタルドル形式を共有することだった。しかし、その複数発行者構想は続かなかった。CircleとCoinbaseは2023年8月にCentreを解散し、Circleが発行とスマートコントラクトの統治を社内に取り込んだ。Coinbaseの立場は共同統治者から、Circleへの出資者兼流通パートナーへ変わった。

USDCは複数チェーンの公式コントラクトを通って移動するが、ドル請求権はチェーン内の現金ではなく、特定の発行者との契約から生じる。EEA域外では、適格なCircle Mint顧客が口座状態、法令、手数料などの条件を満たして初めて1 USDCを1ドルで直接償還できる。その口座を持たないウォレット保有者はCircleに直ちに現金を請求できない。EEAではCircle FranceがMiCA上の電子マネートークンとしてUSDCを発行する。白書はEEA居住者に、AML審査を経ていつでも額面償還を請求する権利を認める。一方、Circle Mintによる新規発行は対応地域の機関に限られる。発行窓口の資格と保有者の償還権は別の条件である。

どんな課題を解決する?

Circleの創業者たちは、アプリごとに銀行台帳を作らず、使い慣れたドルという単位をインターネット上のソフトウェアで動かそうとした。USDCはERC-20トークン、公開決済網、規制対象の発行者を結び、取引所、ウォレット、スマートコントラクトが同じドル建て資産を受け渡せるようにした。CentreはCircle、Coinbase、将来参加する発行者が同じ規則を使うための仕組みだった。

決済記録はブロックチェーンへ移ったが、準備金まで銀行や証券市場の外へ移ったわけではない。2023年3月、その境界が露呈した。規制当局がSilicon Valley Bankを閉鎖した時、準備金の約8%に当たる33億ドルが同行に残った。Circleが銀行へのアクセスを待つ間、二次市場ではUSDCが1ドル未満で取引された。米当局は3月12日にSVBの全預金者を保護し、価格は戻った。それでも、週末も動くトークンが銀行営業日、カストディアン、政府の破綻処理判断に依存する事実は残った。

どのような技術と仕組みで動く?

承認されたCircle Mint顧客がドルを送ると、Circleは該当チェーンの公式コントラクトに同数のUSDCを発行させる。償還時には顧客がUSDCを返し、Circleが焼却して銀行網からドルを送る。この一次窓口の外にいる保有者は取引所、マーケットメーカー、他のウォレットと売買するため、価格と流動性は発行者の1ドル交換条件から離れ得る。Circleの規約は法令やコンプライアンス上の制限も認めている。

準備資産は保有者のために事業資金と分別される。Circleの2025年Form 10-Kでは、2025年12月31日時点で約88%がBlackRock運用のCircle Reserve Fundにあり、残りは主に受益者名義の銀行現金だった。ファンドは短期米国債、翌日物米国債レポ、現金を保有し、BNYが保管する。Circleは準備金区分を週次で開示し、特定日の準備金価値が流通USDC以上かを調べる月次検証を受ける。一方、Deloitteの年次PCAOB監査はCircle Internet Groupの連結財務諸表を対象とする。会社全体を見る広い監査だが、決算期間に結び付くためリアルタイムの支払保証ではない。

EVMチェーンのFiatToken設計では、マスターミンター、ミンター、停止担当、ブラックリスト担当、所有者、プロキシ管理者が分かれる。これらの鍵は供給を増減し、取引を止め、アドレスを凍結し、実装を交換できる。事故や規制対応に使える一方、保有だけで中断のない移転や無条件のドル取得を保証しない仕組みでもある。

今回確認できた最新の完結月次資料はDeloitteの2026年7月報告である。2026年7月31日の流通量は71,826,453,410 USDC、準備金公正価値は71,904,101,332ドルだった。Circleの第2四半期報告は別に、2026年6月30日時点で約84%がファンドにあったと記す。いずれも基準日の観測値で、固定配分やその後すべての日への約束ではない。

重要ファクトの要約

  • Sean NevilleとJeremy Allaireは2018年9月26日にUSDCを発表し、CircleがCentre初の商業発行者となった。
  • CircleとCoinbaseは2018年10月23日にCentreの共同設立を発表し、Coinbaseが流通と交換を加えた。
  • Circleは2022年11月3日にBlackRock運用のCircle Reserve Fundへ準備資産を移し始めた。
  • 2023年3月には準備金の約8%に当たる33億ドルがSVBに残ったが、米当局が全預金者を保護した。
  • Centreは2023年8月21日に独立運営を終え、Circleが発行、統治、運営、コントラクト鍵を引き継いだ。
  • Circleは2025年12月31日時点で準備金の約88%がCircle Reserve Fund、残りが主に銀行現金だったと開示した。
  • 月次準備金検証は特定時点の情報を検査し、Deloitteの年次監査はCircle Internet Groupの連結財務諸表を扱う。
  • EEA域外で直接償還するには正常な適格Circle Mint口座が必要で、一般ウォレット保有者が自動的にCircleの顧客になるわけではない。
  • CircleのEVM権限は発行、焼却、停止、アドレス凍結、アップグレードを実行できる。
  • EEAではCircle FranceがMiCAに基づいて発行する。EEA居住者はAML審査後に額面償還を請求できるが、Circle Mintでの新規発行は適格機関に限られる。
  • Deloitteの2026年7月31日検証は流通量71,826,453,410 USDC、準備金公正価値71,904,101,332ドルを記録し、Circleの第2四半期報告は2026年6月30日時点のファンド比率を約84%とした。

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よくある質問(FAQ)

USDCを作ったのは誰ですか?

Circle共同創業者のSean NevilleとJeremy Allaireが2018年9月にトークンを発表した。CircleがCentreの下で発行し、10月にはCircleとCoinbaseがCentreの共同設立を正式発表した。2023年8月のCentre解散後はCircleが発行とコントラクト統治を担い、Coinbaseは商業・出資パートナーとして残った。

SVB破綻時にUSDCでは何が起きましたか?

Circleの準備金の約8%に当たる33億ドルがSilicon Valley Bankにあった。銀行閉鎖で通常のアクセスが止まるとUSDCは1ドルを下回った。米当局が3月12日にSVBの全預金者を保護し、資金へのアクセスが戻るにつれて価格も目標へ近づいた。

月次準備金報告はCircleが毎月監査される意味ですか?

違う。月次業務は特定日の準備金情報と流通量を検証する。Deloitteの年次PCAOB監査はCircle Internet Groupの連結財務諸表を決算期間ごとに検査する。両者は別の問いに答える報告である。

誰でもCircleでUSDCをドルに換えられますか?

EEA域外では、登録済みCircle Mint口座を持つ適格者だけが規約、法令、手数料の条件下で直接償還できる。EEAでは居住者に、AML審査を経ていつでも額面償還を請求する別の権利がある。Circle Mintによる新規発行は引き続き適格機関に限られる。

準備金の利息はUSDC保有者に支払われますか?

支払われない。規約上USDC自体は利息を生まず、準備金収益も保有者に帰属しない。明記された権利は条件付きのドル償還であり、国債ファンド持分やCircle株式の所有ではない。

CircleはUSDCを凍結したり変更したりできますか?

できる。公開EVM設計には停止担当、ブラックリスト担当、所有者、ミンター、プロキシ管理者がある。これらは取引停止、アドレス凍結、供給変更、実装更新を可能にする。

USDCという名前のトークンはすべて同じですか?

同じではない。Circleは対応チェーンごとの公式ネイティブコントラクトを公開している。同じ名称とティッカーでも第三者ブリッジ版にはネイティブUSDCと異なるブリッジ・保管リスクがある。

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