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Fantomはエンジンを替え、先に帰路を一方通行にした

SonicはFTMの単なる改名ではない。新しいチェーンを立ち上げ、FTMを1:1で移し、旧ネットワークの安全確保用予算を振り替え、新しい発行制度、開発者収益、ブリッジを加えた。保有者自身が行使できる権利と、財団、Sonic Labs、バリデーター、管理者鍵に依存する操作を分けて考える必要がある。

新しいチェーンと、役割の異なる二つの組織

2024年5月、Fantomの組織は「Sonic」を技術アップグレードの呼称から、新しいEVMレイヤー1の名称へ変更した。同時に、Sonic Foundationはネットワークのガバナンスと財務資金管理、Sonic Labsはアプリ、提携、利用者獲得を担うと説明した。これがSを取り巻く最初の支配構造である。

チェーンは2024年12月18日、チェーンID 146で始動した。通貨はERC-20ではなくネイティブSであり、CoinGecko ID「sonic-3」にコントラクトアドレスはない。0x039e…aD38はコントラクト利用向けのラップドSで、他チェーンのSONICティッカーとは別資産である。

逆方向の交換は先に閉じた

FTM保有者には、1:1でSへ移す経路が用意された。最初の90日間は双方向だったが、その後はFTMからSへの一方向だけになった。Operaは別チェーンとして残るため、この移行は価値と開発の重点を移したのであって、二つの台帳を統合したわけではない。後からSを取得した人には、FTMへ戻す一般的な権利がない。

安全性はチェーンではなく予算として引き継がれた

SonicはPoS、DAG系コンセンサス、SFCによるステーキングでFantomの系譜を継ぐ。バリデーターは現在500,000 Sを自己ステークし、その最大15倍の委任を受け入れられる。自己ステークを含む総量の上限は16倍である。利用するSFCは0xFC00…0000である。委任者は引き出しまで14日待ち、バリデーターへの処分の影響も受ける。二重署名はステークの削減と除外につながり得る。

最初の4年間は、Operaに残るブロック報酬予算約7,000万トークンを毎年Sonicのバリデーターへ振り替える。ステーク率50%で目標APR 3.5%を、新たなブロック報酬インフレなしで賄う設計だ。その後の公表日程では年1.75%を発行する。APRはステーク率と反対方向に動き、固定利息でも財団の債務でもない。

供給量は一つの上限ではなく、複数の制度で決まる

始動時の31.75億Sは、内部関係者への新規配分ではなくFTMとの互換性から生じた。ただし供給上限ではない。現行文書は、エアドロップ、成長施策、機関向け制度を経た供給量を約38億Sとしている。

成長施策では6年間、毎年47,625,000 Sを発行し、年内に使わなかった分をバーンする。最初の発行日は2025年6月18日だった。エアドロップ向けには2025年7月17日と31日に計89,778,181.9 Sを発行した。さらに2025年9月4日、Nasdaq上場企業の財務戦略とSonic USA向けに472,372,662.8 Sを発行し、ETF構想には追加で5,000万米ドル相当のSを発行する可能性がある。

これらはガバナンスで承認し、指定ウォレットと制度を通じて実行する方針であって、暗号学的な供給上限ではない。後の経営陣はインフレ廃止を目指すと述べたが、これは方針であり、変更不能な規則として埋め込まれてはいない。

手数料は保有者へ届く前に分かれる

Sはガスの支払いに使われる。現行FeeMは取引手数料の90%を開発者向け財務資金、10%をバリデーターへ送り、基本手数料はバーンしない。登録済みアプリの開発者が開発者分を請求する。通常のS保有者が利用増加だけで90%を受け取ることはなく、ステーカーが得るのもSFC規則に基づくバリデーター側の報酬だけである。

エアドロップは、時間を早期受取の減額へ変えた

制度全体では190,500,000 Sを発行した。シーズン1では25%を直ちに受け取り、75%を270日かけて権利確定する譲渡可能なNFT受取権とした。早期に請求すると、残り期間に応じた割合がバーンされ、待てば全量を受け取れた。現行ページでは約9,220万Sが対象限定の奨励策準備枠に残り、この制度向けの追加発行はない。

ポイント、Gems、地域、制度規約が受取資格を決め、財団は裁量でウォレットを除外できた。エアドロップ配分は条件付きの制度上の請求権であり、すべてのSに付随する権利ではない。

Gatewayは安全に停止できるが、管理者もいる

Sonic GatewayはEthereumとSonicの間の送金を定期的にまとめ、Sonicのバリデーター集合が確定した状態根を受け入れる。更新が14日間連続で止まると、変更不能な安全装置により、条件を満たす利用者は元チェーンの資産を回収できる。第三者ブリッジや、すでに交換済みのトークンは対象外である。

形式検証では、Solidityコードを手作業で抽象モデルへ移し、安全性を証明した。展開先一覧にはプロキシ、実装、UpdateManager、DirectExitAdministratorがある。構成要素の監査と証明は設計の信頼性を高めるが、アップグレード鍵、中継者、トークンの組み合わせ、バリデーター集合の状態根は運用上の信頼箇所として残る。

ガバナンスはプロトコル操作であり、株主権ではない

製品ページは、Sをステークするとガバナンスへ参加できると説明し、過去の投票では移行や発行方針を承認した。MiCA文書は法的な境界も示す。Sには裏付け資産、価値保護、補償制度がなく、金融上の権利、法的議決権、契約上の請求権を与えない。プロトコル投票は、現在の技術的仕組みが実装する範囲に限られる。

Sonic FoundationとSonic Labsは、それぞれの役割に応じて財務資金、制度、ウォレット、ブリッジ、公開作業を管理する。2026年6月、Labsの取締役3人は事業上の決定権をCEO Matt VisserとCOO Kosta Kourkoumelisへ渡し、意思決定の公開を約束した。情報開示は増えても、各S残高が二つの法人を支配するわけではない。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2024年5月23日
    Sonicがチェーンになる

    Fantomが新しいL1、Sトークン、財団とLabsの異なる役割を発表する。

  2. 2024年12月18日
    メインネット始動

    SonicチェーンID 146が始動し1:1 FTM/S移行が始まる。

  3. 2025年3月18日
    帰路が終了

    最初の90日間を過ぎると、交換はFTMからSへの一方向だけになる。

  4. 2025年6月18日
    最初の成長施策向け発行

    生態系の成長施策に向けた最初の年間配分として47,625,000 Sを発行する。

  5. 2025年7月17日・31日
    エアドロップ向け発行

    190,500,000 Sの制度に向け、合計89,778,181.9 Sを発行する。

  6. 2025年9月4日
    機関向け制度への発行

    Nasdaq DAT構想とSonic USAに472,372,662.8 Sを発行。

  7. 2026年2月2日
    運用ウォレットを整理

    Labsが移行後のマルチシグ、財務資金、ブリッジ、取引所口座の整理を公表する。

  8. 2026年6月19日
    経営陣の交代

    取締役3人が事業上の意思決定から退き、Matt VisserがCEO、Kosta KourkoumelisがCOOに就任する。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

Sonicとはどんなコイン?

SonicはFantomの後継チェーンである。ネイティブ通貨Sは、ガス、PoSバリデーターによる安全確保、FTMからの移行、ステーキング、FeeM、エアドロップなどに使われる。

どんな課題を解決する?

「FTMがSへアップグレードした」という説明だけでは、併存する二つのチェーン、現在は一方向だけの交換、複数の発行制度、ブリッジと財務資金の運営者という違いが見えなくなる。

どのような技術と仕組みで動く?

SはSonicの中核台帳にあるネイティブ通貨で、wSはそのERC-20ラッパーである。SFCがステーキングとバリデーター管理を担い、FeeMがガス収益を配分する。各発行制度が供給量を増やし、Gatewayはバリデーター集合の状態根の証明とアップグレード可能なコントラクトを使って外部資産を移動させる。

重要ファクトの要約

  • CoinGecko ID「sonic-3」は、チェーンID 146のネイティブ通貨Sを指す。wSのコントラクトは0x039e2fB66102314Ce7b64Ce5Ce3E5183bc94aD38である。
  • メインネットは2024年12月18日に始動した。
  • FTM/Sは90日間1:1双方向で、現在はFTM→S一方向。
  • 始動時の基礎供給量は31.75億Sで、後の発行を経た公式供給量は約38億Sである。
  • バリデーターは500,000 Sを自己ステークする。委任は自己ステークの最大15倍までで、自己ステークを含む総量は最大16倍となる。
  • 委任したSの引き出しには14日かかり、バリデーターへの処分が委任分にも影響する場合がある。
  • 最初の4年間はOperaの報酬予算から年約7,000万Sを使い、その後は年1.75%の新規報酬発行を計画している。
  • 成長施策では6年間、毎年47,625,000 Sを発行し、使わなかった分をバーンする予定である。
  • FeeMは手数料の90%を開発者、10%をバリデーターへ送り、基本手数料はバーンしない。
  • エアドロップ制度では190,500,000 Sを発行した。シーズン1は25%を直ちに受け取り、75%を270日かけて権利確定する。
  • Gatewayの安全装置は状態更新が14日間止まると作動するが、回収対象には条件がある。
  • Sには、裏付け資産、償還、補償、法人持分、法的議決権がない。

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よくある質問(FAQ)

Sonic Sにコントラクトアドレスはある?

ない。SはチェーンID 146のネイティブ通貨。0x039e…aD38はラップドS。

SをFTMへ戻せる?

一般経路はない。始動後90日だけ1:1双方向で、現在はFTM→Sのみ。

S供給量は上限付き?

変更不能な供給上限は公開されていない。エアドロップ、成長施策、機関向け制度によって供給量が増え、後年にはバリデーター報酬の新規発行も計画されている。

ステーキングは3.5%保証?

いいえ。ステーク率50%のときの目標値であり、報酬、手数料、バリデーターの稼働状況、処分の有無によって変動する。

FeeM収益は誰が得る?

登録済みアプリの開発者が開発者分を、バリデーターがそれぞれの取り分を受け取る。通常の保有者へ保有割合に応じて配る仕組みではない。

Gatewayはブリッジリスクをなくす?

なくならない。条件を満たす正規資産に14日後の安全装置を加えるが、アップグレード、中継者、バリデーター集合の状態根、回収対象の範囲に関するリスクは残る。

Sは法的ガバナンス権利?

実装された範囲ではプロトコル投票があり得る。一方、MiCA文書はS自体に法的議決権、金融上の権利、契約上の請求権がないとしている。

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