ERC-1155 — ゲームの持ち物をまとめて送るための規則
剣一本とポーション数本は、同じ数え方をする資産ではない。ERC-1155は、すべてを固有のNFTにせず、多様な種類と数量を一つのコントラクトで扱う仕組みを整えた。

3点クイック要約
- 発端 / 逆説ERC-1155は、一つのコントラクトで複数のトークン種類と保有数量を記録する。
- 決定的瞬間一括転送はIDと数量を対応させ、一つのアドレスから別のアドレスへ送る。
- 歴史的結末転送規則の共通化だけでは、画像の永続性、ゲーム間の互換性、希少性は保証されない。
出来事のタイムライン
代替可能なトークンと固有のトークンを、一つのインターフェースで扱う提案が生まれる。
共同著者のWitek Radomskiが、コミュニティでの開発を経た標準の確定を発表する。
持ち物は一種類ではなかった
特別な剣一本と同じポーション三本を、かばんに入れて別のプレイヤーに渡す場面を考えてみよう。剣は個別の品物として、ポーションは数量として意味を持つ。これは実際のゲーム取引の記録ではなく、説明のための例だ。そしてERC-1155を理解する入り口でもある。持ち物全体を一つの通貨や固有物のコレクションだけとして扱わず、性質の異なる資産を一緒に収めるトークンインターフェースである。[1]
提案の作成日は2018年6月17日。その一年後、EnjinのWitek RadomskiはFinalへの到達を発表した。彼は2017年からの社内開発と、その後のコミュニティによる標準化を説明している。仕様には六人の著者が記されている。ゲームアイテムの要件から始まった構造が、一つのゲーム専用の形式ではなく、ウォレットやアプリが共通して実装できるインターフェースになった。[1][2]
IDは種類、残高は個数
ERC-1155のコントラクトは、アカウントとトークンIDの組み合わせごとに残高を持つ。先ほどの例なら、あるIDは交換しても同じポーションの種類を表し、別のIDは実装によって総供給量を一つに制限した剣を表せる。IDを付けるだけで希少になるわけではない。同じものを追加発行できるかどうかは、発行規則が決める。[1]
これは、ERC-721がNFT一個ごとに新しいコントラクトを必要とした、という意味ではない。ERC-721のコレクションも、一つのコントラクトに多数の固有トークンを含められる。ERC-1155の違いは、IDが数量を持つ種類を示せることだ。代替可能な資産と固有の資産が同じ残高管理の構造を使う。「どの固有トークンか」という問いが、「何をいくつ持つか」へ広がった。[1]
かばんごと送る一括転送
標準のsafeBatchTransferFromは、IDのリストと対応する数量のリストを受け取る。一人の送り手が、剣とポーション三本を一回の呼び出しで同じ受取人に移せる。種類ごとに別々の取引を作る負担を減らせる仕組みだ。ただし、これだけで双方向の交換になるわけではない。代金の支払いや逆方向の資産移転には、追加のアプリケーションロジックが必要になる。[1]
受取先がコントラクトなら、そのコントラクトも手続きに参加する。標準の通常の安全な転送規則では、受取先は指定の受諾値を返す必要があり、拒否すれば取引は巻き戻される。非対応の受取先を検出する確認である。ただし、受け取った品物を後で送り出せる保証ではない。OpenZeppelinの実装ガイドも、外へ転送する機能を別途用意するよう開発者に注意を促している。[1][3]
所有記録はゲームの一部分
ERC-1155が標準化するのは残高、転送、イベント記録であり、剣の戦闘動作ではない。メタデータは、名前、画像、属性を含む別のJSON文書を指すことができる。仕様はこの分離を認めており、すべての画像やゲーム規則の永続的なオンチェーン保存を要求しない。他のゲームがその品物を認識するか、どんな働きを与えるかは、そのゲーム側の判断が必要だ。[1]
権限にも大切な境界がある。標準のsetApprovalForAllは、選んだポーション一個だけでなく、そのコントラクト内で保有するトークンをオペレーターが扱うことを承認する。便利さとともに、権限の範囲を理解しやすい表示が求められる。ERC-1155の貢献は、多様な持ち物を扱う共通の文法だ。ゲームの動作、画像、他者に管理を任せる判断には、それぞれの規則がなお必要なのである。[1]
この人物・事件と繋がる関連ストーリー
歴史のバタフライ効果で結びついた、もう一つのドラマを探求する。
出典・参考文献
- [1]出典 1: ERC-1155仕様:残高、一括転送、受取先、メタデータEthereum Improvement Proposals · 2018-06-17確認 2026-09-22
- [2]出典 2: Witek Radomskiによる2019年のFinal到達発表Enjin · 2019-06-17確認 2026-09-22
- [3]出典 3: OpenZeppelin:アイテムと受取コントラクトの実装OpenZeppelin確認 2026-09-22

