創業者・誕生秘話約 6分更新 2026-09-05POL (ex-MATIC) (POL)

Maticのチェーンは残り、Polygonは範囲とトークンを変えた

Jaynti Kanani、Sandeep Nailwal、Anurag Arjunは2017年、Ethereumを拡張する具体的な設計としてMaticを始めた。2020年の段階的なメインネット公開、Polygonへの拡張、ArjunとAvailの独立、MATICからPOLへの移行は、最初のチェーンを残したままプロジェクトの範囲を変えてきた歴史を示している。

Maticのチェーンは残り、Polygonは範囲とトークンを変えた

要点

  • Maticは2017年、Plasma、プルーフ・オブ・ステークのチェックポイント、既存の開発環境を組み合わせたEthereum中心の設計として始まった。
  • 2020年のメインネットは財団と招待された検証者で始まり、参加枠を段階的に開くことで、初期管理と分散化の間の選択を明示した。
  • PolygonはPoSチェーンを残しつつゼロ知識技術へ製品群を広げ、Availを分離し、ガスとステーキングのトークンをMATICからPOLへ移した。

出来事のタイムライン

2017年Ethereumを選んだMatic

Kanani、Nailwal、Arjunは拡張性と使いにくさを障壁と捉え、Ethereumを最初の基盤に選んだ。

2020年5月段階的なメインネット公開

財団と招待検証者で始め、検証者枠を少しずつ一般に開く順序を採用した。

2021年2月9日MaticからPolygonへ

既存チェーンを稼働させたまま、単一チェーンから幅広いEthereum拡張製品群へ製品範囲を広げた。

2023年3月16日Availが独立

共同創業者ArjunがAvailを別組織で率い、Polygon LabsはEthereumに沿ったゼロ知識技術へ集中した。

2024年9月4日POLがネットワークの役割を継承

POLがPolygon PoSのガス・ステーキング用トークンとなり、Ethereum上のMATICには1対1の移行手段が設けられた。

1. 3人の名が並ぶ、焦点を絞った提案

Polygon Labsが後に公表した記録では、Jaynti Kanani、Sandeep Nailwal、Anurag Arjunが2017年にプロトコルを共同創業した。Maticのホワイトペーパーは、これとは別に同じ3人を著者として記している。提案はEthereumを置き換える宣言ではなかった。混雑と使いにくさが大規模利用を妨げると診断し、開発者と道具がすでに集まるEthereumを最初の基盤に選んだ。[4][1]

この判断がMaticの性格を決めた。提案は改変したPlasma、プルーフ・オブ・ステークのチェックポイント層、別のブロック生成者を組み合わせ、取引をEthereumの外で処理してから記録を戻す仕組みだった。ウォレットや決済API、開発キットも掲げたのは、遅い処理と難しい操作を一つの製品課題として扱ったからである。[1]

「Matic Networkは、分散性を損なわず、既存の開発者コミュニティーとエコシステムを生かしながら、拡張性と使いやすさの問題を解決しようとする。」[1]
— Maticホワイトペーパー第1.1版

2. 設計は慎重な公開手順と向き合った

ホワイトペーパーの時点で、Maticは動作するテストネットとEthereumを基盤にしたアルファ版メインネット構成を示していた。これは当時の実装と意図を知る資料である。一方、処理性能の目標や将来の不正証明研究まで、すべてが本番で動いていた証拠ではない。設計上の主張と公開済み機能を区別する必要がある。[1]

2020年5月に示されたメインネット公開手順には、現実的な妥協があった。最初に動くのはMatic Foundationのノードと、チームが招いた検証者だけだった。初期の不具合に素早く対処するため、この段階では両者がステークの3分の2超を握ると明記された。その後、検証者枠を小分けに開き、公開型の運営へ移す計画だった。[2][7]

トークンも一度に新チェーンへ移さなかった。MATICはEthereum上のERC-20として残り、利用者はブリッジを通じて資産を新しいネットワークへ運べた。Maticは実行環境を新設したが、初日から資産と検証の関係が完全に独立したとは説明しなかった。[2]

3. Polygonへの改称は置き換えではなかった

2021年2月9日、Matic NetworkはPolygonへの改称を発表した。PlasmaとPoSチェーンを運営する計画から、より広いEthereum拡張技術を支える構想へ製品範囲を広げた。同時に、既存のMatic PoSとPlasmaを稼働させ、開発を続けると約束した。名称は変わっても、動いているチェーンを閉じる発表ではなかった。[3]

「最初から、私たちの使命はただ一つだった。Ethereumを大規模利用に向けて拡張することだ。」[3]
— Jaynti Kanani、Polygonへの改称発表

ここから、重なりながら異なる二つの歴史が始まる。Polygonは後のゼロ知識技術を含む製品群の総称となり、Polygon PoSはMaticから続く稼働中のチェーンとして残った。、Plasma、Ethereumへ証明を載せるを一括して「」と呼べば、安全性の違いが見えなくなる。改称発表も各方式を分けていた。[3]

4. 広がった製品群は創業チームも分けた

2023年3月16日、Polygon Labsはデータ可用性プロジェクトAvailを、独立して資金を賄う組織として分離すると発表した。2017年にKanani、NailwalとPolygonを共同創業した人物として記されたAnurag Arjunは、Polygon LabsとPolygon Foundationを離れてAvailを率いた。3人が常に同じ組織で進んだという神話とは異なる、資料で確認できる転機である。[4]

Polygon Labsは、Ethereum固有のデータ可用性、ゼロ知識による拡張、EIP-4844への支援に集中するための判断だと説明した。AvailはArjunの下で、特定のチェーンに依存しないモジュール型基盤を目指した。同じ拡張性の課題から、一方はEthereumとの結び付きを強め、もう一方は複数チェーンを支えるため組織を出た。[4]

この分離は、2021年の範囲拡大が生んだ可能性と選別の両方を示す。複数の方式を一つのブランドに集めることはできても、すべての研究を同じ組織に置き続けることはできなかった。Availの独立後もPolygonという名は広く残り、Polygon Labsの開発焦点はむしろ明確になった。[4][3]

5. トークン名も再設計の対象になった

2024年9月4日、POLがPolygon PoSのガスとステーキングを担うトークンになった。Polygon PoS上のMATICは利用者の操作なしで移行し、Ethereum上のMATICにはPolygon Portalを通じた1対1の移行手段が用意された。発表は、すぐに使える機能と、今後のコミュニティー判断に委ねられた広い役割を分けて説明した。[5]

この変更は、改称から続く流れを完成させた。最初のPoSチェーンは捨てられなかったが、そのガス、ステーキング、長期構想を表すトークン名は変わった。MaticがPolygonになったときも、MATICがPOLへ役割を渡したときも、チェーンは取引を処理し続けた。連続性を保ったのは一つの名称ではなく、ネットワークとEthereum中心の方向だった。[3][5]

これが資料からたどれる創業史である。3人の創業者はEthereumと競うより拡張する道を選び、管理された手順でネットワークを開いた。その後、Arjunの離脱に伴ってPolygon LabsがAvailを分離し、プロジェクトはMATICからPOLへ移行した。一連の判断は、誰が運営・開発するのか、どのトークンがガスを払いチェーンを守るのかを変えたが、Ethereum中心という最初の基準は残った。[1][2][4][5]

この事件から学ぶ重要教訓(Key Takeaways)

技術 & アーキテクチャ

互換性が最初の製品判断だった

Maticは開発者にEthereumの道具や資産を捨てさせず、アプリを安価に動かそうとした。製品群が変わっても、この整合性は判断軸として残った。

市場 & 投資インサイト

改称は稼働中のチェーンを置き換えなかった

Polygonのゼロ知識・マルチチェーン構想は、すでに動いていたPoSチェーンの周囲に広がった。ブランドの計画と、各製品の実際の安全性を分けて読む必要がある。

思想 & ガバナンス

分散化は複数の選択の積み重ねだった

管理された検証者公開、Availの独立、POLへの移行は、それぞれ異なる形で役割を配り直した。統治の実態は一つの標語ではなく、その変化に表れる。

次の疑問へ

続けて読みたいストーリー

同じテーマを、別の事例や背景から考えてみましょう。

出典・参考文献

  1. [1]出典 1: Maticホワイトペーパー第1.1版Matic Network GitHub確認 2026-09-05
  2. [2]出典 2: メインネット公開手順の発表Polygon Community Forum / Matic Network確認 2026-09-05
  3. [3]出典 3: Matic NetworkからPolygonへの移行と技術範囲の拡張Polygon · 2021-02-09確認 2026-09-05
  4. [4]出典 4: Polygon LabsによるAvailの分離Polygon Labs · 2023-03-16確認 2026-09-05
  5. [5]出典 5: MATICからPOLへの移行開始Polygon Labs · 2024-09-04確認 2026-09-05
  6. [6]出典 6: Ethereumの展望とPolygon構築を語るJaynti KananiとSandeep NailwalMoneycontrol
  7. [7]出典 7: Counter Stake週報:5月31日のメインネット稼働を報告Polygon Community Forum / Matic Network · 2020-06-08確認 2026-09-06