ApeCoin

ape
時価総額順位 #207•Smart Contract Platform, Gaming (GameFi), NFT
CoinYQ コイン史

自ら投票権を消した最後の投票

APEはBored Apeを取り巻く世界に、通貨兼投票手段として登場した。3年後、その最も重要な投票が投票制度そのものを終わらせた。固定供給のガス・決済トークンは残ったが、ブランド、インフラ、組織資産はそれぞれ別の主体が握っている。

所有していないクラブから生まれたトークン

Yuga Labsは2021年4月にBored Ape Yacht Clubを始め、その後Othersideを作った。ApeCoinは2022年3月17日、別の仕組みで登場した。Ape FoundationがトークンとDAOを運営し、Yuga Labsはブランドを手掛ける会社であり続けた。公式サイトがAPEをエコシステムのトークンと呼んでも、二つの組織が一体になるわけではなかった。

この境界が保有者の法的な立場を決める。APEにBAYCのNFT、Yuga Labsの株式、Othersideの土地、知的財産権、製品への入場保証は含まれない。2023年にはYuga LabsとGucciによるKodaPendantの販売でAPEが使えたが、ある商品の決済手段になることと、その商品や発行者を所有することは別である。

10億枚は一度に発行され、流通には四つの予定表があった

検証済みのEthereum契約は単純である。導入時に正確に1,000,000,000 APEを発行し、コントラクト所有者の管理権限、プロキシ、二度目の発行、一時停止、凍結、ブラックリストの機能を残さなかった。一方、配分は複雑だった。エコシステムに62%、Yuga Labsと慈善寄付に16%、立ち上げへの貢献者に14%、創業者に8%が割り当てられた。

すべてが初日に流通したわけではない。BAYCとMAYCの請求分は開始時から受け取れたが、財庫、Yuga Labs、慈善寄付、貢献者、創業者の割当には最長48か月の解除予定があった。公式サイトは2026年8月3日時点で総供給と流通供給をともに10億枚と表示していた。この時点の状況と、初期の集中や解除がもたらしたリスクは分けて読む必要がある。

投票と実行の間には財団がいた

初期の仕組みでは、保有者はAPEを自分のウォレットに置いたまま投票権を委任した。Ape Foundationが手続きを運営し、Special Councilが事務上の実行を審査・監督した。投票権があれば提案を選べたが、それによって各保有者が理事、契約の署名者、財庫資産の所有者になるわけではなかった。

制度を変える試みも進んだ。AIP-582はオンチェーンのガバナー、財庫の分割、新しいセキュリティ評議会を提案したものの、実装状況は未完了のままだった。2025年5月18日、Facilitator Note 25は移行が解決していないなかで新たなAIP手続きを止めた。可決された設計を、稼働中の契約や現行の評議会として扱うことはできない。

最後の重大な投票が投票権を消した

AIP-596の投票は2025年6月13日から26日まで行われた。賛成46,591,000 APE、反対151,505.731 APE、棄権5,172.036 APEとなり、行使された投票権の99.66%が終了案を支持した。提案本文はDAOを解散し、履行済みの契約を除く旧ガバナンスを無効にしたうえで、保有者のガバナンス権と組織資産に対する権利、作業部会、委任機関、選挙、フォーラムを終了させた。

残る資産を移す前に、既存のステーキング義務のため約1,125万APE、法務・契約・移行費用のため1,000万APEを留保した。それ以外の財団とDAOの通貨、知的財産、契約、ドメイン、インフラは、Yuga Labsが設立する新たな運営主体ApeCoへ移すことが承認された。保有者に比例配分の権利が付いて移ったわけではない。提案は資産移転に先立って、その権利を終了させていた。

ガバナンスの後にもガスと決済が残った

APEに残った最も明確なプロトコル上の役割はApeChainにある。ApeChainはAnyTrustでデータ可用性を確保し、Arbitrum Oneを経由してEthereumへ決済するArbitrum Orbit方式の楽観的L3であり、APEをガス代に使う。LayerZeroのOFTは公開されたチェーン間で送信元のAPEを減らし、送信先へ同量を加えるため、Ethereum契約に新たな発行権限を与えない。

トークン契約が単純でも、周辺の仕組みまで管理者不在になるわけではない。ApeChainは管理用プロキシとその管理者を公開し、Ape Foundationは利用規約に基づいて画面やサービスを運営する。ApeCoはDAO終了後の組織を動かし、Yuga Labsは自社の製品とブランドを管理する。保有者はAPEを移転し、対応する料金を払えるが、株式、配当、償還、財庫持分、知的財産のライセンス、製品への自動的なアクセスは得られない。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2021-04
    BAYCが始まる

    Yuga Labsが、後にAPEを取り巻くブランドの出発点となるBored Ape Yacht Clubを始めた。

  2. 2022-03-17
    ApeCoinが発行される

    固定供給10億枚のERC-20、配分予定、Ape Foundationが運営するDAOガバナンスが始まった。

  3. 2024
    ApeChainが稼働を始める

    Yuga Labsの公式沿革には、APEをガス代に使うArbitrum Orbitチェーンの開始が記録されている。

  4. 2025-05-18
    AIP手続きが止まる

    Facilitator Note 25は未完了のオンチェーン移行を見直すため、新たな提案の受付を停止した。

  5. 2025-06-26
    AIP-596の投票が終わる

    最後の投票では、行使された投票権の99.66%がDAOの終了とApeCoへの移行を承認した。

  6. 2026-03
    最長の初期解除予定が48か月を迎える

    公開されていたエコシステム基金の配分予定が、明記された48か月の期間を終えた。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

ApeCoinとはどんなコイン?

ApeCoinは2022年3月17日、Bored Apeを取り巻くエコシステムのために発行された固定供給のERC-20である。Yuga LabsがBAYCとOthersideを手掛ける一方、別組織のApe FoundationがApeCoin DAOを運営した。当初、保有者はAPEの投票権を委任してガバナンスに参加できた。ところがAIP-596は2025年6月にその仕組みを終わらせ、DAOを解散し、残る資産と業務をYuga Labsが設立するApeCoへ移すことを承認した。現在のAPEには、ApeChainのガス代とエコシステム製品の決済資産という役割が残っている。

どんな課題を解決する?

一つの猿の印が、性質の違う関係を同じものに見せてきた。BAYCを持ってもYuga Labsの所有者にはならず、APEを持ってもBAYCの画像やOthersideを所有することにはならない。投票手続きを担ったApe Foundationも、それらの製品を作った会社ではなかった。さらに、この境界は時間とともに変わった。2025年6月の終了までは委任したAPEでDAOの意思決定に参加できたが、可決された終了案は保有者のガバナンス権と組織資産に対する権利を明示的に終わらせた。現在の説明では、投票の役割を過去の制度として、ガス代と決済の役割を現行の機能として分ける必要がある。

どのような技術と仕組みで動く?

Ethereum上の契約は1,000,000,000 APEを一度だけ発行し、コントラクト所有者の管理権限、プロキシ、追加発行、一時停止、凍結、ブラックリストの機能を持たない。対応するチェーン間では、OFT版が送信元の供給を減らし、送信先の供給を同じ分だけ増やす。ApeChainはArbitrum Orbitを使う楽観的ロールアップ型L3で、AnyTrustによってデータ可用性を確保し、Arbitrum Oneを経由してEthereumへ決済する。このチェーンではAPEがガス代に使われる。かつて保有者はトークンの保管権を渡さずに投票権を委任できた。AIP-596の可決後、そのガバナンス制度、評議会、作業部会、選挙は終了し、ApeCoと関係するインフラ管理者がトークン契約の外にある運営権限を担っている。

重要ファクトの要約

  • Yuga Labsは2021年4月にBAYCを開始し、Othersideを作った。Ape Foundationは別組織としてApeCoinと旧DAOを運営した。
  • 検証済みのEthereum契約は正確に1,000,000,000 APEを発行し、その後の追加発行、コントラクト所有者の管理権限、プロキシ、一時停止、凍結、ブラックリストの機能を持たない。
  • 初期配分はエコシステム62%、Yuga Labsと慈善寄付16%、ローンチ貢献者14%、創業者8%で、ロックと月次解除が異なった。
  • 公式サイトは2026-08-03、総供給と流通供給をともに1,000,000,000 APEと表示した。
  • かつての委任制度では、保管権を移さずに投票権を割り当てられたが、AIP-596によって保有者が参加するガバナンスは終了した。
  • AIP-582はオンチェーンのガバナーとセキュリティ評議会を設計したが、実装記録は未完了のままで、2025年5月18日にAIP手続きが停止した。
  • AIP-596は2025-06-26、賛成46,591,000 APE、反対151,505.731、棄権5,172.036で終了し、行使された投票権の99.66%が賛成した。
  • 承認された終了案はDAOを解散し、保有者のガバナンス権と資産権を終了し、準備分を除く資産と責任をApeCoへ移すことを承認した。
  • 整理では既存ステーキング義務に約1,125万APE、法務・契約・移行費用に1,000万APEを留保した。
  • APEはApeChainのガス代に使われる。ApeChainはAnyTrustを採用し、Arbitrum Oneを経由してEthereumへ決済するArbitrum Orbit方式の楽観的L3である。
  • 公式OFT文書はApeChain、Ethereum、Arbitrum、Solana、HyperEVM、BSC、Monad、Robinhoodを挙げている。チェーン間の移動では送信元から差し引き、送信先へ同量を加えるため、無制限に新規発行する仕組みではない。
  • ApeChainは管理用プロキシとその管理者のアドレスを公開している。したがって、アップグレード権限はAPEの保有とは別である。
  • APEにはBAYC、Yuga LabsまたはApeCoの株式、OthersideのIPや保証されたアクセス、財庫持分、配当、収益分配、償還権が付かない。

公式リンク・コミュニティ

カテゴリー

関連コインを探索

よくある質問(FAQ)

APE保有者は今もApeCoin DAOで投票できるか?

可決されたAIP-596の条件ではできない。2025年6月の終了案がDAOを解散し、トークン保有者のガバナンス権と資産権を終了させた。現在も閲覧できる委任ページや説明は、以前の制度を示している。

終了前の委任は何をしたか?

トークンを所有者のウォレットに残したまま、その投票権を代理人へ割り当てた。保管権を移す制度でも、Ape FoundationやYuga Labsの所有権を与える制度でもなかった。

誰かが10億枚を超えて発行したり、私のEthereum上のAPEを凍結できるか?

検証済みの中核ERC-20は10億枚を一度だけ発行し、コントラクト所有者の管理権限、追加発行、一時停止、凍結、ブラックリストの機能を持たない。ただし、ブリッジや取引所口座には別の保管・契約リスクがある。

マルチチェーンAPEは固定供給を増やすか?

公式OFT設計は送信元のトークンを減らし、送信先へ同じ分だけ加える。チェーン全体の供給を一つに保つための設計だが、ブリッジや通信端点に障害が起きる可能性は残る。

ApeCoへの移転が承認された資産をAPE保有者は所有するか?

しない。AIP-596は移転を承認する前に保有者の資産権を明示的に終了した。留保と移転は組織上の配分であり、比例償還権ではない。

APEを買うとBAYC、Otherside権利、Yuga株式も得るか?

得られない。APEはガス代に使われ、特定のOtherside販売で決済手段として受け入れられたが、アクセス権やライセンスは各製品の規約によって決まる。APE自体はNFT、会社株式、配当、知的財産のライセンスではない。

外部価格トラッカー

ApeCoinのリアルタイム価格と取引所を確認: