ADI

adi
CoinYQ コイン史

ADI V2は発行を閉じたが、指揮系統までは閉じなかった

ADIの公開された立ち上げ記録は、発表文より先にコードの変更から始まる。コミット5ed5052は直接の追加発行と焼却をなくす一方、UUPSで実装を差し替える権限を残した。この順序を追うと、現在確認できる供給規則と、後から別のコードを承認できる署名者を分けて捉えられる。

コントラクトアドレスが三文字の名前に境界を引いた

2025-12-08の公式発表は0x8b14…caeaをADIと特定した。プロキシは11月20日に先行展開され、その後チェーンID 36900のADI NetworkにおけるL1基軸トークンになった。Ethereumプロキシからブリッジを経てL2ガスになる経路こそ資産の身元である。

その周囲の機関向け構想はADI DLT Foundationが担う。アブダビの同財団は、Sirius International Holdingが政府機関や規制対象の金融機関向け基盤を築くため設立したと説明している。エコシステム図に載る企業は参加者または提携先であり、トークン発行主体でもADI保有者の持分でもない。

V2は発行機能を消し、Safeはアップグレード鍵を残した

旧V1ではDEFAULT_ADMIN_ROLEに追加発行が、BURNER_ROLEには自分の残高の焼却が認められていた。コミット5ed5052はUTCの2025年12月6日23時51分、アブダビ現地時間では12月7日に両機能を削除した。確認したV2に残るのはERC-20送金、UUPSによる更新承認、誤送付資産の管理者回収である。READMEは旧来の発行・焼却をなお要約しているため、概要と実際の実装コードを区別して読む必要がある。

確認時点で、プロキシは0x9cb8142aebbcdc60af7c97af897a67a8f3ca71c2の実装を参照していた。Safe 0x21fcdb3bc34cbce354b6a958cc12c5f5f4be1af6は登録所有者3人中2人の署名を必要とし、管理者、焼却、更新の各役割を保持していた。V2には外部から呼べる発行・焼却関数がないため、それらの役割があっても削除済みの処理は実行できない。一方、更新の権限は有効であり、Safeは保有者投票を経ずに実装コードの差し替えを承認できる。

チェーン管理はさらに別の層にある。ガバナンス、チェーン管理者、プロキシ管理者、バリデーター・タイムロックの各アドレスが公開され、付録ではトークン保有者ガバナンスを未稼働としている。規約が描く将来の投票は現在のADI保有者の権利ではなく、決議、監査、届出を待つ条件付き機能である。

ガスは現在の用途、機関向け一覧は採用の主張

ADI Chainでは送金、スマートコントラクト実行、L3処理にADIを払う。公式コントラクト一覧はロールアップ、ブリッジ、管理者アドレスまで公開し、漠然とした将来用途より具体的である。

決済、ディルハム建てステーブルコイン、RWAのトークン化は、その基盤上で別の発行主体が構築する製品だ。財団はAtlas、Airbender、設定可能なL3の規制対応機能を示すが、処理速度と普及度はプロジェクト仕様上の主張にとどまる。線路の運賃を持っていても、そこを通る貨物を所有することにはならない。

インフレではなく配分日程が流通量を動かす

公開初期は999,999,999 ADIで、2026年9月5日のEthereumも同数を返した。35%コミュニティと25%財務資金を中心に投資家、提携先、チーム枠が順次ロック解除する。月次ロック解除は既発行トークンの移動であり追加発行ではない。

ステーキングにも同じ区別が当てはまる。30日、90日、180日のいずれかでロックするとstADIを受け取り、報酬は新規発行ではなく事前配分されたプールから出る。ただし報酬は金額、期間、倍率、制度パラメーターに左右され、利用規約は発生を保証しない。

削除された関数と、残された決定権

コミット5ed5052は、財団によるトークン発表に先立ってADIの現行コードができることを変えた。直接の追加発行と焼却はなくなったが、コードを差し替える権限は残った。ADIがチェーンの実行手数料に使われ、配分済み残高のロックが解除される間も、現在の供給規則と次の実装を承認できる署名者を併せて確認する必要がある。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2025-11-20
    Ethereumプロキシを展開

    ERC-1967プロキシが初期化され、展開者に最初の管理者権限が付与された。

  2. 2025-12-06
    V2から追加発行と焼却を削除

    コミット5ed5052はUTCの23時51分10秒に変更を記録した。アブダビ現地時間では12月7日となる。

  3. 2025-12-08
    ADIをEthereum ERC-20として発表

    財団が正確なコントラクトとTGE時の取扱先を公表した。

  4. 2026-03-05
    財団・ステーキング利用規約が法的境界を設定

    ADI DLT Foundation、非カストディ型アクセス、デジタル資産のリスク、stADIのロック、事前配分報酬が定義された。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

ADIとはどんなコイン?

ADIは、Ethereum上のERC-20コントラクト0x8b1484d57abbe239bb280661377363b03c89caeaであり、チェーンID 36900のADI Networkでネイティブガスとして使われる。ADI DLT Foundationは、この資産をEthereumで決済する機関向けL2に結び付けている。同名資産と区別するには、短いティッカーではなくコントラクトアドレスを確認する必要がある。

2026年3月の利用規約は、ADI DLT FoundationをADGMのDLT財団制度に基づく非営利法人とし、金融規制当局の規制対象ではないと説明する。サービスは非カストディ型であり、利用者はウォレットの管理責任と、スマートコントラクト、ブリッジ、市場、法的リスクを負う。

どんな課題を解決する?

ADI Chainは新興市場向けの規制対応決済、ステーブルコイン、RWAトークン化の基盤を掲げる。これはネットワークと提携先の事業構想である。保有者が確かめるべきなのは、現在の用途、コードと財源型報酬を支配する主体、そして機関向け案件が裏付け資産への請求権を生むのかという点だ。

どのような技術と仕組みで動く?

ADIはADI Chainと、その上のL3領域で実行手数料に使われる。Ethereumで発行された999,999,999枚は、公開された基軸トークンとブリッジの仕組みを通じて移動する。別のステーキングサービスでは30日、90日、180日のいずれかでADIをロックし、ポジションを表すstADIを受け取る。報酬は追加発行ではなく、事前に配分されたプールから支払われる。

トークンは、差し替え可能な実装を参照するプロキシ方式を取る。確認時点では、3人中2人の署名を必要とするSafeが実装変更を承認できた。この更新方式がUUPSであり、V2で発行・焼却関数を削除したことと、実装を変更する権限をなくしたことは異なる。保有者ガバナンスは未稼働で、チェーン管理も別の運営権限に属する。

重要ファクトの要約

  • 対象資産は小数18桁のEthereum ERC-20/UUPSプロキシ0x8b1484d57abbe239bb280661377363b03c89caeaである。ADI NetworkはチェーンID 36900で、ADIをガスに使う。
  • ADI DLT FoundationはSirius International Holdingが設立したAbu Dhabiの非営利DLT財団(登録20599)。トークンコントラクトやエコシステム提携先とは別主体である。
  • EthereumトークンはADIロールアップのL1基軸トークンであり、ブリッジ後はADI Networkのネイティブガスと同じ経済単位として機能する。
  • 公式説明はZKsync AtlasとAirbenderによるZK Layer 2、設定可能なL3ドメインを掲げる。性能、規制対応、10億人という目標はプロジェクト側の主張であり、保有者への保証ではない。
  • 初期供給量と2026-09-05のEthereum総供給量はともに999,999,999 ADI。
  • 配分はコミュニティ35%、財務準備金25%、民間投資家12%、提携先10%、チーム10%、インセンティブ4%、流動性4%である。コミュニティには72か月の解除日程とTGE時点の1.39%、財務準備金には108か月の日程とTGE時点の5%の利用可能分がある。投資家・提携先・チームには12か月の据置期間と72か月の解除スケジュールが記載されている。12か月目の全量解除を意味せず、この表だけでは72か月が据置期間に追加されるかも断定しない。二つの4%枠はTGE時点で全量利用可能だった。
  • ステーキングは30・90・180日のロックとstADIを提供する。規約は非カストディ型かつ事前配分されたプールによる非インフレ型の方式とするが、報酬発生を保証しない。
  • レビュー時点でトークン保有者ガバナンスは未稼働。有効化決議、監査済みコントラクト、仕様公開、ADGMへの更新提出が必要である。
  • 廃止されたV1には、管理者による追加発行と、指定された役割の保有者による自己残高の焼却機能があった。確認したV2は両方を削除したが、UUPS方式の更新と誤送付された資産を管理者が回収する機能は残した。
  • 2026-09-05、Ethereumストレージ上のプロキシ実装は0x9cb8142aebbcdc60af7c97af897a67a8f3ca71c2だった。
  • Safe 0x21fcdb3bc34cbce354b6a958cc12c5f5f4be1af6がDEFAULT_ADMIN、BURNER、UPGRADERの役割を保持していた。登録された所有者3人のうち2人の署名が必要であり、一般保有者の投票が更新を承認する仕組みではなかった。
  • ロールアップ側には、別のガバナンス、チェーン管理者、プロキシ管理者、バリデーター・タイムロックの各コントラクトがある。ADIを持つだけでは、これらを呼び出す権限は得られない。
  • 決済、ステーブルコイン、RWAの提携は、ADI Chain上の基盤案件である。ADI自体について、ディルハム、証券、トークン化資産、提携先株式、財団収益への償還権は文書化されていない。
  • 2026-03-05規約は財団が金融規制当局の規制対象ではなくサービスは非カストディ型とする。引用資料は株式、財務資金所有権、収益配分を付与しない。

公式リンク・コミュニティ

カテゴリー

関連コインを探索

よくある質問(FAQ)

対象のADIをどう見分けるか

Ethereumコントラクト0x8b1484d57abbe239bb280661377363b03c89caeaとADI NetworkチェーンID 36900を照合する。ティッカー、個人名、Analog Devicesの株式記号、AccumulateのADI識別子だけでは足りない。

ADIの供給は固定か

現行V2に発行・バーン関数はなく、確認時総供給量は999,999,999だった。ただしUUPSプロキシのため、Safeの承認署名で将来の実装を変更できる。

ADIは何に使うのか

ADI ChainとL3のガス、価値の送金に使う。エコシステム決済という説明は、発表されたすべての決済・RWA製品がすでに稼働していることを意味しない。

ADIステーキングの仕組みは

30・90・180日を選びstADIを受け取る。報酬は事前配分プールと制度パラメーターに依存し、規約は発生を保証しない。

ADI保有者はチェーンを統治できるか

確認時点ではできない。公式付録は有効化手続き完了までトークン保有者ガバナンスが休眠すると明記する。

ADIはディルハム建てステーブルコインやRWAを表すのか

そのような償還権や所有権を定めた文書は確認できなかった。ADIはネットワークの実行手数料に使われ、ステーブルコインやトークン化資産はそれぞれの規約と発行主体を持つ別の商品である。

一般ADI保有者の法的権利は

引用資料が確認するのは、ERC-20送金、ガス利用、任意のステーキングである。確認した文書には、財団持分、財務資産の所有権、利益配分、法定通貨への償還や提携先資産の所有権を保有者へ与える規定はない。

トークンを変更できるのは誰か

確認時点ではSafe 0x21fcdb3bc34cbce354b6a958cc12c5f5f4be1af6が管理者と更新の役割を持ち、所有者3人中2人の署名を必要としていた。V2に追加発行関数はないが、このSafeはUUPS方式で新たな実装を承認し、誤送付資産を回収できる。

外部価格トラッカー

ADIのリアルタイム価格と取引所を確認: