EOSからVaultaへ:41億ドル調達後の決別と転換
Block.oneによる約41億ドルのEOS販売から、トークン支給停止、Antelopeへの移行、Vaultaへの名称変更、代表退任の手続きまでを追う。

3点クイック要約
- 発端 / 逆説CoinDeskによると、Block.oneの2017〜2018年のEOS販売による調達額は約41億ドルだった。
- 決定的瞬間2021年12月、EOSのブロック生成者はBlock.oneへの将来の支給分、約6,700万EOSの支払いを止めた。
- 歴史的結末Vaultaは2025年3月に発表され、Aへの交換は5月に始まった。その後、ラ・ローズの退任に伴う代表交代の手続きが始まった。
出来事のタイムライン
Block.oneがEOSを販売。CoinDeskは調達額を約41億ドルと報じた。
Block.oneは認定内容を認めも否定もせず、2,400万ドルの民事制裁金に同意した。
ブロック生成者がBlock.oneへの支給予定分、約6,700万EOSの支払いを止めた。
3月18日のブランド発表に続き、5月14日に1対1のトークン交換が始まった。
ラ・ローズは11月12日の投稿で、10月29日に退任の意思を伝え、選出手続きが始まったと説明した。
1. 41億ドルの調達と、企業から独立したネットワーク
2017年6月から2018年6月にかけて、Block.oneはEOSIOプロジェクトのトークンを販売した。米証券取引委員会(SEC)は、約1年間で数十億ドル相当のデジタル資産を集めたと説明している。ただし、資産を受け取った企業と、そのソフトウェアを基盤とする公開ネットワークは別の主体だった。[1]
CoinDeskが報じた調達額は約41億ドルで、当時のICOとして最大規模だった。この数字は販売の規模を示すものであり、その後EOS保有者が共同管理するようになった現金残高ではない。開発企業との関係が悪化した後、コミュニティに何を変える権限があったのかを考えるうえで、この区別は欠かせない。[9]
EOSは委任型プルーフ・オブ・ステークを採用した。ENFの説明では、トークン保有者がブロック生成者を選び、委任された持分で上位21位までの候補がブロックを生成してネットワーク変更を承認する。チェーンの規則を決める仕組みであり、購入者がBlock.oneの株主として会社の議決権を行使する仕組みではなかった。[6]
2. SECとの和解、そして開発支援をめぐる対立
2019年9月30日、SECはBlock.oneの未登録証券募集について和解を発表した。会社は認定内容を認めも否定もせず、2,400万ドルの民事制裁金を支払うことに同意した。登録義務をめぐる規制措置であり、後に生じたエコシステム支援への不満すべてを裁いたものではない。[1]
その支援をめぐる対立が、やがて決別の中心となった。EOS Network Foundation(ENF)は2022年5月の回顧で、Block.oneが資金支援やEOSIO開発の約束を十分に果たさなかったと批判した。これは紛争当事者である財団の説明であり、すべての開発者が作業を停止したという独立した認定ではない。[5]
2021年1月10日、Block.oneは最高技術責任者ダン・ラリマーが個人のプロジェクトに取り組むため退社したと発表した。同じ2021年、ブロック生成者はイヴ・ラ・ローズが率いるENFへの支援を承認した。ネットワークは、最初の開発企業だけを頼るのではなく、別の開発資金の経路をつくり始めていた。[10][6]
3. 6,700万EOSの将来の支給を止める
2021年12月、EOSのブロック生成者はBlock.oneに支払われる予定だった約6,700万EOSの追加支給を止めた。ENFの後の説明によると、コード変更によって将来の支払いを停止したという。対象は残りのトークン支給分であり、ICOで集まった資金全額を取り戻したわけではなかった。[5]
ラ・ローズはこの決定を、コミュニティが自らの未来に責任を持つ動きとして説明した。実際の手段は、トークン支給に関するネットワークの意思決定である。創設者の解雇という比喩は決裂の大きさを伝えるが、株主総会でBlock.oneの経営陣を解任したり、会社資産の所有権を得たりしたこととは異なる。[5][6]
技術面の自立は別の過程をたどった。ENFは2022年9月21日、EOSIOから派生したコミュニティ開発のAntelope/Leap 3.1へ移行したと記録している。公開されたソフトウェアを引き継いで改良する開発上の変化であり、Block.oneの知的財産権すべてを取得したという証拠ではない。[6]
4. Vaultaの発表と、その後のトークン交換
2025年3月18日、ネットワークはVaultaという名称とWeb3バンキング戦略を発表した。資産管理、決済、投資、保険を重点分野として掲げた。事業の方向づけが変わったのであり、ネットワーク自体が銀行免許を得たことや、構想した金融サービスがすべて稼働したことを意味しない。[7]
トークンの切り替えはその後だった。5月7日の告知はEOSからAへの交換を5月14日に予定し、5月14日の告知は1対1の交換が始まったと伝えた。3月のブランド発表、トークン契約の展開提案、交換開始の告知は、それぞれ別の段階である。[4][11]
Vaultaは、既存のチェーン、アカウント、コントラクト、状態履歴を維持すると説明した。交換文書には、トークンの置き換えで供給量、配分、段階的支給の日程は変わらないともある。新しい銘柄記号で過去を消したのではなく、同じ基盤を別の事業目標へ向け直したのだった。[4][11]
5. 代表が退いても残る統治の課題
2025年11月12日、ラ・ローズは、10月29日に財団CEOを退く意思をブロック生成者へ伝えたと投稿した。この決定によって、次の代表を選ぶ通常のオンチェーン手続きが始まったという。この声明が示すのは手続きの開始であり、後任選出の完了ではない。[8]
代表の退任は、中心人物が去った後に誰がネットワークの仕事を組み立てるのかという問いを残した。2021年の支給停止と後の代表選出手続きは、具体的な統治の仕組みが使われた事例である。すべての対立が解決したことや、企業の支配権とネットワークの権限が同じであることを示すものではない。[5][8]
トークン販売からVaultaまでの歩みでは、資金調達、開発支援、ソフトウェア保守、リーダーシップが別々の課題として現れた。完全な崩壊や復活の保証という物語よりも、教訓は具体的だ。調達額だけでは次の段階を誰が担うかは決まらず、新しい名前だけで需要が証明されるわけでもない。[9][6][7]
この事件から学ぶ重要教訓(Key Takeaways)
統治の権限には具体的な範囲がある
ブロック生成者は将来のトークン支給を止められたが、Block.oneの会社資産を取得したわけではない。
資金調達と需要は別の指標
41億ドルの販売と、アプリケーションへの持続的な需要は、異なる成功の尺度である。
同じチェーンで変わる方向
Vaultaへの交換はネットワークの履歴と基盤を維持し、名称と事業の方向を変えた。
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出典・参考文献
- [1]出典 1: 未登録証券募集に関するSECとの和解U.S. Securities and Exchange Commission · 2019-09-30
- [2]出典 2: EOS.IOの背景参考資料Wikimedia Foundation
- [3]出典 3: プルーフ・オブ・ステークの背景参考資料Wikimedia Foundation
- [4]出典 4: 5月7日の交換予定とネットワーク継続の案内Vaulta · 2025-05-07
- [5]出典 5: 支援対立とトークン支給停止に関するENFの回顧EOS Network Foundation · 2022-05-16
- [6]出典 6: ENFの統治史とAntelopeへの移行EOS Network Foundation · 2023-02-21
- [7]出典 7: 3月18日のVaulta戦略発表EOS Network Foundation · 2025-03-18
- [8]出典 8: ラ・ローズによる退任通知日と選出手続きの投稿Yves La Rose · 2025-11-12
- [9]出典 9: 41億ドルの販売に関するCoinDeskの当時の報道CoinDesk(CryptoNews.net転載) · 2019-09-17
- [10]出典 10: Block.oneによるラリマー退社の発表Block.one · 2021-01-10
- [11]出典 11: 5月14日のトークン交換開始の告知Vaulta · 2025-05-14


