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落札者は変わっても、チェーンの発行は止まらなかった

Injectiveは取引収益をチェーンの機能として集め、その受取り方を毎週一人の落札者から月次の比例配分へ変えた。参加機会が広がっても、INJを保有するだけで取引所を所有できるようになったわけではない。

注文板がウェブサイトの裏側からチェーンへ移った

Injectiveの正式メインネットは、金融アプリの基盤にCosmos SDKの状態処理を置いた。現物・デリバティブの注文板、照合、約定、決済は取引所モジュールにあり、価格情報、保険基金、オークション会計も同じプロトコル層でつながる。

そのためアプリは検証者集団を所有せずに、共通の流動性ルールを利用できる。CometBFTの検証者が預託された持分に基づいてブロックに合意する一方、取引利用者は取引用のサブアカウントに残高とポジションを持つ。どちらにも参加しないINJ保有者に、注文や手数料の請求権が自動で付くことはない。

2025年10月に一人の落札から比例配分へ変わった

2021年の設計は、対象となる取引手数料を毎週の競り上げ式オークションへ集めた。最も多いINJを提示した一人が資産一式を受け取り、落札額は焼却された。その後、INJ 2.0は取引所モジュールを使うアプリ以外にも資産の拠出を開いた。

最初のCommunity BuyBackは2025年10月23日に参加受付を始めた。開始時の告知は交換と焼却を10月29日に予定していた。参加者がINJを拠出し、決済時に収益資産を比例配分で受け取り、拠出INJを焼却する設計であり、受付開始日は決済完了の証拠ではない。資産価格と配分割合のリスクを引き受けて参加する必要があり、保有残高だけでは配分を受けられない。

INJは2020年10月21日に1億枚で始まり、初期割当の解除は2024年1月までに終わった。しかし、全量流通という説明は固定供給を意味しない。ステーキングによる安全性のために変動率で発行が続くので、純供給が減るのは焼却が発行を上回ったときだ。

ブロックへの合意、投票、コードの採用は別々に進む

検証者はブロックに合意し、制裁リスクを負う。委任者は検証者を選び、必要なら引き継いだ投票を自分で上書きする。預託金を伴う提案は市場設定を変更したりx/upgradeの更新を予約したりできるが、検証者が対応する更新処理を含む実行ファイルを採用する必要がある。

即時上場は所定の手数料を焼却して個別の投票を省略できる。circuitモジュールでは、ガバナンスまたはLEVEL_SUPER_ADMINが、特定メッセージを止める権限を別のアカウントに与えられる。これらは異なる実行権限であり、自由に送金できるINJを持つだけでは取得できない。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2020-10-21
    初期供給1億INJで開始

    初期発行とともに割当と段階的解除の予定が始まった。

  2. 2021-11
    正式メインネットで取引を開放

    ネイティブ取引所機能とガバナンスが試験市場を越えて稼働した。

  3. 2021-12-15
    最初の週次焼却を予定

    競り上げ式オークションが手数料資産の受取りと落札INJの焼却を結び付けた。

  4. 2024-01
    初期割当の解除が終了

    予定された解除は終わったが、ステーキング報酬の発行は続いた。

  5. 2025-10-23
    Community BuyBackの受付開始

    月次比例配分への参加受付を始めた。告知では交換と焼却を10月29日に予定していた。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-04

Injectiveとはどんなコイン?

Injectiveは金融向けの機能を備えたCosmos SDKベースのプルーフ・オブ・ステークチェーンだ。取引所モジュールが現物・デリバティブの注文板、注文照合、約定、決済をチェーンの状態として管理する。価格情報、保険基金、オークションに加え、tokenfactory、Peggy、WASMxの各モジュールが周辺機能を担う。INJは手数料、ステーキング、ガバナンスに使うネイティブ資産だ。

役割は実際の参加によって生まれる。INJを預けた検証者はブロックに署名し、違反時に持分を失うリスクを負う。委任者は検証者を選んでその持分を会計上配分され、ステーキングした保有者は投票できる。Community BuyBackでは変更できないINJの拠出を行い、収益資産を比例配分で受け取る。単に保有するだけでは、検証者の地位、注文板上の資産、アプリ収益の請求権、法人の所有権は得られない。

どんな課題を解決する?

取引所では複数の資産で手数料が発生する一方、チェーンの安全性を支えるためにはINJの報酬発行が続く。当初は対象となる取引収益を毎週の競り上げ式オークションにまとめ、最高額のINJを提示した一人に資産一式を渡した。落札に使われたINJは焼却された。

2025年10月には月次のCommunity BuyBackがこの方式に代わった。参加枠を確保してINJを拠出すると、生態系の収益資産が拠出割合に応じて配分され、拠出したINJは焼却される。供給から除く効果はあるが、全保有者への配当ではない。ステーキング比率に応じた発行が続くため、焼却だけで純供給の減少を証明することもできない。

どのような技術と仕組みで動く?

CometBFTの検証者がブロックの順序に合意し、預けられたINJに基づいて稼働する検証者が選ばれる。委任者は検証者の持分を示す会計単位を持ち、制裁による損失も負う。自分で投票しなければ検証者の選択が委任分に適用されるが、自ら投票すればその分の選択を上書きできる。

取引所モジュールは価格情報や保険基金の状態を参照し、現物・デリバティブ注文を処理する。ガバナンスは設定や市場を変更できる。一方、即時上場では所定のINJ手数料を焼却し、市場ごとの投票を省略できる。オークションのコード文書には従来の収益収集と競り上げ処理が残るが、現在公表されている参加方式は月次BuyBackだ。

どのアカウントも預託金を伴う提案を提出でき、可決された指示はガバナンスモジュールが実行する。ソフトウェア更新の計画は実施時点を指定するが、検証者が対応する更新処理を含む実行ファイルを採用しなければ実行できない。別にcircuitモジュールでは、ガバナンスまたはLEVEL_SUPER_ADMINが、特定種類のメッセージの実行を止める権限をアカウントに付与できる。

重要ファクトの要約

  • Injectiveは金融モジュールを備えたCosmos SDK・CometBFTのプルーフ・オブ・ステークチェーンだ。
  • 取引所モジュールが現物・デリバティブの注文板、照合、約定、決済をチェーン上で処理する。
  • 2020年10月21日の初期発行は1億INJで、当初の割当の予定解除は2024年1月までに終わった。
  • 発行率はステーキング比率に応じて変わり、初期割当の解除後も報酬発行が続く。
  • 現在の月次Community BuyBackは2025年10月23日に初めて参加受付を始めた。
  • BuyBackは収益資産を参加者に比例配分し、拠出されたINJを永久に焼却する仕組みだ。
  • 検証者と委任者は制裁によるステーキング資産の損失リスクを負う。
  • 市場設定や更新を決めるガバナンスと、circuitの最上位管理者による緊急権限は別の仕組みだ。

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よくある質問(FAQ)

アプリは専用の注文板を運営するのか。

独自の画面を作れるが、ネイティブ取引所モジュールが現物・デリバティブの注文板、照合、決済を共通機能として提供する。

今も毎週一人が落札する方式なのか。

それは以前の焼却オークションだ。2025年10月に月次Community BuyBackへ移り、収益資産を比例配分して拠出INJを焼却する方式となった。

全量が流通しているなら追加発行はないのか。

初期割当の予定解除が終わったという意味であり、追加発行の停止ではない。報酬の発行率は変動するため、焼却量と発行量を併せて見る必要がある。

委任者は検証者の投票を変更できるのか。

自ら投票しない場合だけ検証者の選択を引き継ぐ。直接投票すれば、自分の委任分についてはその選択を上書きできる。

INJを持てば取引手数料を自動で受け取れるのか。

収益資産を受け取るにはBuyBackの条件に従った参加が必要だ。保有だけではアプリ収益の請求権、検証者の地位、Injective関連法人の所有権は生じない。

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