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CoinYQ コイン史

世界共通台帳の夢を、企業が使える決済導線へ絞り込む

2017年のRequestは、請求書、税、エスクロー、会計を一つの台帳に載せようとした。後にチームは、請求書だけでは決済量が積み上がらなかったと認めた。現在、財団が運営するのは決済リンク、経路選択、入金照合に焦点を絞った道具だ。REQは残ったが、焼却とガバナンスの説明はAPI事業とは分けて読む必要がある。

Moneytisが送金の先に残る問題を教える

初期ホワイトペーパーはREQより前の2014年から始まる。エティエンヌ・タチュールとクリストフ・ラシュイは、Bitcoinを用いた国際送金経路の集約サービスMoneytisに取り組んだ。企業や個人事業主から学ぶと、送金だけで問題は終わらず、請求理由、取引条件、会計記録が別々に残った。

2017年冬のY Combinatorで、この経験はRequest Networkへ組み替えられた。BobがAliceへ支払いを求め、請求条件を添え、入金後に共通台帳を更新するEthereum上の層である。文書は税の振り分け、エスクロー、ファクタリング、監査、機械同士の商取引まで描いた。

10億枚のトークンが大きな賭けを支える

2017年の販売契約は、作成時に10億REQをすべて発行した。当時のリポジトリは販売50%、チームの権利確定15%、財団のマルチシグ15%、初期投資家のマルチシグ20%とする。現在のトークンページはICO 49.97%、初期貢献者20.01%、チーム・顧問18.01%、財団12.01%と別に分類する。差の説明がないため、どちらか一方を唯一の監査済み配分とは扱えない。

トークン契約はホワイトペーパーの経済圏より単純だ。保有者は自分のREQを移転または焼却でき、承認を受けた者は委任分を焼却できる。所有者専用の緊急関数は任意のERC-20契約を指定し、REQ契約自体が保有する残高を所有者へ送る。一般保有者のウォレットには手を出せない。追加発行、停止、凍結、更新の機能もない。2026年9月5日の供給量は999,416,740.934708517074687027枚で、当初より約583,259枚少なかった。これは焼却の発生を示すが、個々の焼却理由までは示さない。

請求書アプリは使われても、ネットワークは増幅しない

財団が現在掲載する沿革は、この時期を厳しい教訓として語る。企業は請求書機能を使ったが、実際の決済量を伴わない請求書ではネットワークが成長しなかった。請求台帳の上に巨大な応用層を築こうとした初期構想との違いは大きい。

企業向けアプリは残ったものの、Request Financeという別のフランス企業になった。公式FAQは両チームが分離し、財団でさえRequest Financeの暗号化請求書への閲覧権を付与できないと説明する。同社の顧客になることはプロトコル所有ではなく、REQはどちらの組織の株式でもない。

請求はGnosisに残り、資金は選んだチェーンを動く

現在のリクエストは署名済みデータである。内容の大半は専用IPFS網に置かれ、内容識別子だけがGnosis Chainに記録される。作成に署名する者と実際の受取ウォレットは異なり得る。支払い参照値がEthereumやBaseなどの送金を請求記録に結び付ける。

この分離は便利だが、記録が証明する範囲も限る。請求は金額と入金状況を示せても、債権の法的有効性を認証したり回収を保証したりしない。法定通貨建てでも財団への償還請求権にはならない。規約は取引の正確性を審査せず、資金を預からず、第三者の実行を保証しないと定める。

2026年、チームはステーブルコインの移動から作り直す

財団は2026年6月1日、ステーブルコイン受取、クロスチェーン決済経路、送金前のウォレット検査を発表した。発表文は7チェーンへの到達を掲げたが、現行の実装案内が説明するのは5つのEVMチェーンでUSDCとUSDTを扱い、LiFiが探索してAcrossに限定するクロスチェーンAPI経路である。公式FAQも、クロスチェーン決済は基礎プロトコルではなくAPIだけで提供すると明記する。

この境界により、運用上の判断はホスト型サービスに集まる。財団がAPIを運営する一方、規約では一部の保守を外部事業者が担う。認証情報、対応経路、ウォレット検査、手数料見積もりはREQ契約の外で変わり得る。公開プロトコルを直接使う道は残るが、ホスト型決済の利便性や稼働はREQ保有によって保証されない。

焼却とガバナンスに残る空白

現在のREQページは、支払い要求の保存時に一部REQが焼却され、保有者がプロトコルと財団の決定に参加できると説明する。焼却関数と減少した総供給は、焼却が起きた事実だけを示す。それが支払い要求の保存料として生じたことまでは証明しない。今回確認した公開資料では、1件ごとの焼却式、API利用料をREQの購入・焼却へ結び付ける規則、スイス財団を拘束するオンチェーン統治契約を特定できなかった。

REQは二つの時代の間にある。初期供給が固定され、焼却履歴を持つ一方、現行の決済製品はAPI応答に示すサービス手数料を受け取る。保有者はガバナンスと呼ばれる議論に参加できるが、それを償還請求、収益分配、財団の所有権へ広げることはできない。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2014
    MoneytisがBitcoin送金から始まる

    後のRequestチームが国際送金経路を集約し、決済記録と取引条件が分断される問題に出会った。

  2. 2017-Q1
    Y Combinatorで支払い要求の構想が固まる

    エティエンヌ・タチュール、クリストフ・ラシュイらが送金の経験を共通商取引台帳の案へ変えた。

  3. 2017-10
    10億REQが一度に発行される

    トークン販売が開発資金を集め、初期契約の移転制限は2017年10月20日07:00 UTCに終了した。

  4. 2018-03-16
    最も広い構想がホワイトペーパーに残る

    改訂文書は請求、税、エスクロー、会計、通貨間決済を掲げ、多くをまだロードマップとしていた。

  5. 2025-12-22
    スイス財団がAPI利用関係を規約化する

    財団はプロトコル保守者を名乗る一方、ホスト型アクセス、提供事業者、料金への裁量を留保した。

  6. 2026-06-01
    Requestが決済中心の基盤として再出発する

    クロスチェーンのステーブルコイン受取とウォレット検査を発表し、請求書作成から決済実行へ重心を移した。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

Requestとはどんなコイン?

Request Networkは、署名された支払い要求を作り、オンチェーン送金と照合するオープンソース・プロトコルだ。内容の大半をIPFSに置き、内容識別子をGnosis Chainへ記録する。スイスのRequest Network Foundationはゲートウェイ、管理画面、決済ページ、APIも運営する。REQは0x8f8221afbb33998d8584A2B05749ba73c37a938aで動く別個のEthereumトークンである。

どんな課題を解決する?

初期構想は請求書を万能の商取引層にしようとしたが、財団は決済量を伴わない請求書では成長が止まったと振り返る。現在の課題は、企業が受取先のチェーンとステーブルコインを決め、資金を預からずに支払人のウォレットから経路を作り、着金を正しい記録へ結び付けることだ。別会社になったRequest Financeとの混同も避けなければならない。

どのような技術と仕組みで動く?

受取人やアプリが支払い要求へ署名すると、大半の内容はIPFSへ、識別子はGnosis Chainへ記録される。派生した支払い参照値が対応チェーンの送金をその記録へ結び付ける。ホスト型APIは同一チェーンまたはLiFi・Across経由の取引を準備し、決済結果を通知する。財団の規約は資金を保管・送金しないと定める。請求額は指定資産で支払い、現行トークンページが掲げるREQのガバナンスと保存時焼却はAPI利用料とは別の説明である。

重要ファクトの要約

  • エティエンヌ・タチュールとクリストフ・ラシュイは、Moneytisと2017年冬のY CombinatorからRequestが生まれたと記している。
  • REQ契約は0x8f8221afbb33998d8584A2B05749ba73c37a938a。小数点以下18桁で、作成時に10億枚を全量発行した。
  • 2017年リポジトリと現在のトークンページで初期配分比率が異なる。
  • 2026年9月5日のEthereum RPC供給量は999,416,740.934708517074687027枚だった。
  • REQはプロキシではなく、追加発行、停止、凍結、更新の関数を持たない。
  • 所有者0xdd76b55ee6dafe0c7c978bff69206d476a5b9ce7はREQ契約自体が保有するトークンを移す緊急回収関数を呼べるが、一般保有者のウォレットからREQを回収することはできない。
  • 内容は主にIPFSへ、識別子はGnosis Chainへ保存される。
  • クロスチェーン経路はLiFi・Acrossを使うホスト型APIの機能で、基礎プロトコル固有の機能ではない。
  • Request Network FoundationとRequest Financeは、それぞれスイスとフランスの別主体である。
  • 支払い要求の記録は、保証、銀行預金、財団への償還請求権ではない。

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よくある質問(FAQ)

2017年の構想と今の製品はどう違いますか?

初期文書は税、エスクロー、会計まで備えた万能請求台帳を描いた。請求書だけでは決済量が増えず、現在はステーブルコインの受取、支払、審査、照合に集中する。

請求額はREQで払いますか?

通常は違う。支払人は指定された暗号資産を送る。REQの現在の説明上の役割は、リクエスト保存に伴う焼却とガバナンス参加である。

API手数料はすべてREQ焼却に使われますか?

トークンページはオンチェーン保存時のREQ焼却を説明する。現在の手数料文書は変動するAPI料金を示すが、全料金が同額のREQ購入・焼却へ自動的につながる式は公表していない。

REQ契約の所有者は増発や凍結ができますか?

確認した非プロキシ契約に追加発行、停止、凍結、更新の関数はない。所有者はREQ契約自体が保有するトークンを緊急回収し、所有権を移せるが、一般保有者のウォレットからREQを回収することはできない。

Request Financeは財団の一部ですか?

違う。公式FAQは両チームが分離したとする。Request Financeはプロトコルを使う別のフランス企業による中央管理型アプリだ。

リクエストを作れば入金は保証されますか?

保証されない。署名された条件と決済状況を記録するが、債務を証明したり支払人を強制したり、未払いを財団が補償したりはしない。

受け取った資産は誰が償還しますか?

Request Networkは償還を約束しない。USDCやUSDTなら、償還と凍結の条件は各発行者と利用する取引所・換金サービスが定める。

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