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貸借対照表も出口も二つあるAIドル

USD.AIは流動トークン、GPU信用を負うヴォールト持分、ガバナンス資産を分けている。文書はUSDaiの裏付け変更を報告し、直接発行・償還の制限を告知した。ただし確認した根拠では実際の制限の執行地点は確定できず、実物GPU融資のリスクは主にsUSDaiに属する。

データセンターに入った三つのティッカー

USDai、sUSDai、CHIPの席は異なる。USDaiは0x0A1a…82EFの合成ドル、sUSDaiは融資収益・費用・減損を反映するヴォールト持分、CHIPはプロトコル投票資産である。CHIPはUSDaiの高利回り版ではない。

「GPU担保ステーブルコイン」という略称だけでは権利を説明できない。USDai保有者はサーバーラックの所有権を得ない。6月規約は融資参加権をsUSDaiヴォールト保有のDepositor NFTに結び、分配と執行回収もその層を通す。

流動性裏付けは変わり、旧マニュアルは残った

初期資料はM裏付けとした。2025年12月18日にPYUSD統合が発表され、2026年3月26日の通知はwMからPYUSDへの移行完了と1対1裏付けを述べた。それでもMという旧記述は技術資料に残る。

現行実装は固定された基礎トークンだけを受け入れ、小数点の桁数を換算して、小数点以下18桁まで数量を扱うUSDaiを発行する。出金時にはUSDaiを焼却する。基礎担保の利回りは指定先へ送られるため、USDaiを保有するだけでGPU信用の利回りが積み上がるわけではない。

利回りヴォールトは第一損失の方法を変えた

sUSDaiはGPU担保融資に接続する持分で、規約上の返済金はヴォールトのDepositor NFTを通じて比例配分される。借り手実績、費用、回収が持分価値を動かし、利回りはゼロやマイナスにもなり得る。

2026年2月6日、保護構造が変わった。従来FiLoはsUSDaiより先に損失を負う劣後資本だった。新規融資は必須FiLoを外し、再保険付きBarker価値保証へ移った。既存FiLoは残り、将来の一部取引で従来FiLoを使う余地もある。

デフォルトの終点は一ブロック先でなく倉庫と裁判所だ

2026年5月の信用審査基準は、担保価値に対する融資比率(LTV)を最大80%、借り手の自己資本を20%以上とし、通常は3年間で元本を均等返済するとする。3か月分の債務返済準備と四半期ごとのDSCR 1.15倍基準も求める。2四半期連続で下回ると、一部繰上返済などで違反を解消する30日間を与え、解消できない場合は残額の早期返済請求と担保執行を認める。

GPUをオラクルが一ブロックで売る仕組みではない。倒産隔離SPV、ハードウェアとSPV持分の担保権、オフテイク介入権、GPU Finance Ltd.の代理業務を使う。Barker保証は年150bpを要し保証価値の80%までを対象とするが、モデル、倒産、法域、回収不足は残る。

3月通知の4月適用計画はトークンコードに見えない

2026年3月26日の通知は、4月6日から本人確認(KYC)済みの許可一覧に載るマーケットメーカーと承認機関だけに直接発行・償還を認める計画を示した。10bpの手数料は償還だけに適用するという内容だ。現行の預入者・技術ページも機関向け制限を記すが、通知だけで実際の執行を確認することはできない。

確認したArbitrum v1.6実装は異なる。depositとwithdrawは固定PYUSD、停止、ブラックリストを検査するが、ホワイトリストも10bp控除もない。制限がアプリ、運用、別部品にある可能性はあるが公開資料は場所を示さない。

sUSDaiは別の時計を使う。現行仕様は30日全体FIFO、現金不足時の部分充足と繰越で、稼働融資を強制清算しない。2025年QEV記事は優先入札を提案したが、現在のページは未実装と明記する。

法的な器とコードは別の管理室を残す

6月4日規約はCaymanのUSD.AI FoundationとBVI子会社GPU Finance Ltd.をサービス運営者、融資・担保代理人として記す。預金保険を否定し、価値・利回りを保証せず、Cayman法と原則個別AAA仲裁を採る。

コードには別の権限表がある。プロキシ更新は2日タイムロックを通る。別々の3-of-3 Safeが基本管理、2-of-3 Safeが停止、3-of-4 SafeがsUSDai戦略を担当する。基本管理者はブラックリストを含む新役割を与えられ、確認時は両トークンとも停止していなかった。

同一性は固まるが、一枚の現行図にはならない。MとPYUSD、公開コードとKYC限定償還、70% FiLoと80% Barker、QEV提案と実装FIFOが併存する。本稿は日付、現行文書、コード、直接チェーン状態を別々の証拠として示す。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2025-09-19
    QEVが待ち時間の市場として提案される

    USD.AIは優先入札を提案したが、後の現行sUSDai文書は未実装とする。

  2. 2025-12-18
    PYUSDが新しい流動性裏付け計画に入る

    PayPalとPermian Labsは、USDaiの裏付けとGPU融資決済へのPYUSD統合を発表した。

  3. 2026-02-06
    新規融資がFiLo必須条件を外す

    既存FiLoポジションを維持しつつ、新規GPU融資にはBarkerの価値保証と再保険を使うとUSD.AIが発表した。

  4. 2026-03-26
    直接発行・償還の制限を告知

    3月26日の通知は4月6日からのKYC限定直接発行・償還と、償還だけに適用する10bp手数料を予告した。後に確認したv1.6コードには許可一覧の検査と当該手数料がなく、執行地点は未確認である。

  5. 2026-05-15
    信用ルールが詳細になる

    最大LTV 80%、借り手自己資本、DSCR検査、債務返済準備口座、違反解消の手順が公表された。

  6. 2026-06-04
    規約がオフチェーン執行経路を描く

    改定規約は財団、GPU Finance Ltd.、Depositor NFT、回収・準拠法・損失リスクを明記した。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-04

USDaiとはどんなコイン?

USDaiはUSD.AI Protocolが発行する合成ドルトークンである。数量を小数点以下18桁まで扱い、Arbitrum上の基準アドレスは0x0A1a1A107E45b7Ced86833863f482BC5f4ed82EFである。GPU融資そのものではなく流動性層だ。別のsUSDaiヴォールトに預けると、融資利息・費用・損失で価値が変わる持分を得る。CHIPはガバナンス資産であり、USDai保有だけではCHIP投票権はない。

どんな課題を解決する?

一つのAI担保ドルに見えるが、USDaiのPYUSD・市場流動性、sUSDaiの長期GPU信用・退出キュー、CHIPガバナンスは別だ。さらに証拠の境界がある。文書は直接発行・償還をKYC限定とする一方、公開トークン実装にホワイトリストと10bpの償還手数料検査がない。各約束がどのトークンに属し、規則が実際どこで執行されるかが中心問題となる。

どのような技術と仕組みで動く?

現行文書と3月26日通知は、wM交換後にPYUSDがUSDaiを1対1で裏付けるとする。確認したv1.6コードは固定PYUSDを受けて発行し、出金時に焼却し、基礎利回りを指定先へ送る。sUSDaiの実装済み出口は30日の全体FIFOで、現金不足なら部分処理して繰り越す。透明プロキシ、2日タイムロック、別Safeの管理・停止・戦略役割が変更と運用を分ける。

重要ファクトの要約

  • Arbitrumの基準アドレスはUSDaiが0x0A1a1A107E45b7Ced86833863f482BC5f4ed82EF、sUSDaiが0x0B2b2B2076d95dda7817e785989fE353fe955ef9。掲載EVMチェーンのLayerZero版も同じトークンアドレスを使う。
  • USDaiはGPU信用利回りトークンではない。2026年3月発表はPYUSDの1対1裏付けを述べ、コードは基礎担保利回りを一般保有者ではなく指定受取人へ送る。
  • 公式ページは2026年4月6日から直接発行・償還をKYC承認対象に限り、償還に10bpの手数料を課す計画を告知した。確認したArbitrum v1.6コードには許可一覧検査と当該手数料がなく、実際の執行地点は公開根拠では確定できない。
  • 2026年5月の新規GPU融資基準は最大LTV 80%、借り手自己資本20%以上、通常3年の定額元本返済である。
  • 融資の返済能力を示すDSCRが最低1.15倍を満たすか、四半期ごとに検査する。2四半期連続で下回ると、一部元本の繰上返済などで違反を解消する30日間が与えられる。解消できなければ期限の利益を失わせ、残額の早期返済請求と担保執行を行える。
  • Barker保証は保証担保価値の80%まで不足を補い、利息から年150bpを負担すると説明される。無損失保証ではない。
  • 規約はCayman財団会社USD.AI Foundationを運営者、GPU Finance Ltd.を管理・担保代理人とする。両トークンは保険付き預金ではない。
  • 更新は2日タイムロックを通り、別の3-of-3 Safeが基本管理、2-of-3 Safeが停止、3-of-4 SafeがsUSDai戦略権限を持つ。基本管理者は新しい役割を付与できる。

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よくある質問(FAQ)

GPU融資利回りを得るのはUSDaiか?

違う。USDaiは流動合成ドルで、sUSDaiが融資利息、分配、執行回収を受ける別ヴォールト持分だ。持分価格と退出時期は変動する。

現在一つのUSDaiを何が裏付ける?

2026年3月26日の発表は、wM交換後にPYUSDが1対1で裏付けるとする。古い技術ページはM裏付けのままなので日付と版を確認する必要がある。

誰でもUSDaiを直接償還できる?

公式ページは4月6日から財団のKYC許可一覧に載る対象だけに直接償還を認め、償還手数料を10bpとすると告知した。しかし確認したv1.6 Arbitrum実装には、その許可一覧検査や手数料控除のないPYUSD入出金機能がある。アプリ、上流のトークン、運用手順、別の構成要素のどこで制限するかは確認できていない。

融資が非流動的なのにsUSDaiからどう退出する?

現行実装は30日の全体FIFOだ。現金不足時は部分充足して残りを繰り越し、稼働中GPU融資を強制売却しない。2025年QEV記事は優先順位入札を提案したが、現行文書は未実装とする。

Barker保険でGPUデフォルトリスクは消える?

消えない。保証価値の80%までの不足を補う再保険経路だが、評価モデルと極端な市場のリスクが残る。法的執行と回収にも時間と費用がかかる。

トークン保有者の法的権利は?

規約はsUSDaiの経済権をヴォールト保有のDepositor NFTに結び、GPU Finance Ltd.を代理人とする。USDai保有者に財団株式や特定GPU所有権は与えず、預金保険、固定価値、利回りも保証しない。

誰がコントラクトを変更・停止できる?

両トークンは透明プロキシで、更新は2日タイムロックを通る。別Safeが基本管理、停止、sUSDai戦略を持つ。基本管理者はブラックリストを含む追加役割を付与でき、現在の役割表が将来権限の上限ではない。

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