CoinYQ コイン史

同じ鍵と残高が、異なる仕組みへ渡された

Rebasedは、旧トークンを新しい銘柄へ交換するよう保有者に求めなかった。スナップショットを通じて残高を移し、その残高を取り巻く仕組みのほぼすべてを変えた。台帳の方式、バリデーター経済、手数料方針、ソフトウェアが権限を得る経路である。

手数料のない機械向け台帳が、複数の移行を重ねる

IOTAは2015年、Tangleと呼ばれるDAGと、採掘者も取引ごとの手数料も使わない送金構想から始まった。この名称は、互換性のない複数の台帳を越えて残った。2021年4月のChrysalisではEdDSAとUTXOを採用する構成へ移り、アクセスには同じ銘柄名だけでなく、移行用の道具と鍵が必要だった。

2023年10月4日のStardustは、ネイティブ資産と、議論を呼んだ供給量の分岐をもたらした。継続支援される側は、エコシステム事業とAssemblyからIOTAへの配分に使うため、総供給量を4,600,000,000 IOTAとした。IOTA Classicは以前の供給量を維持したが、Foundationによる道具の継続支援を受けなかった。

この歴史が重要なのは、「IOTA」という名称がトークン残高だけでなく、支援される社会的・ソフトウェア上の系譜も表すためである。分岐では残高を複製できても、どの状態が経済的に使われ続けるかは、取引所、ウォレット、開発者、バリデーターが決める。

投票がRebasedを選んでも、参加率は結果の一部である

2024年12月、投じられた票の98.37%がRebasedを支持した。参加率は7.52%だった。参加者の間では強い支持を得たが、投票資格のあるIOTA全体の98.37%が賛成した証拠ではない。

この提案は、開発中だったIOTA 2.0の経路を離れ、稼働実績のある構成に着想を得たMove型のオブジェクト設計を選んだ。DPoS、Layer 1のネイティブスマートコントラクト、ガス代、代理支払い付きトランザクション、ステーキングを導入した。ガバナンスが選んだのは、一つの機能ではなく、複数の利点と制約をまとめた構成だった。

創世手続きは残高を保ち、その数え方を変える

2025年5月5日、スナップショットの確認中、StardustとIOTA EVMは処理を停止した。IOTA Foundationとほかの12の創世バリデーターが新しいチェックポイントへ署名した。公表された手続きは、財務資産を対応づけ、移行用データを作り、Stardustの最終台帳状態をRebasedへ移した。

創世時に移った数量は正確に4,600,000,000 IOTAで、人が読む経済単位では1対1だった。小数点以下の桁数は6から9へ変わり、生の単位数は1,000倍になった。単位表記の変更であって、資産が1,000倍に増えたわけではない。

通常の残高に手作業の交換は不要だったが、アクセスには運用上の条件があった。利用者には秘密鍵、復元用の単語列、対応する保管業者が必要だった。Fireflyの支援は終了し、取引所は入出金を停止した。プロトコル上の継続性があっても、ウォレットと保管業者の移行リスクはなくならない。

新規発行がバリデーターを支え、利用手数料の一部が焼却される

約24時間の期間ごとに、バリデーター補助として767,000 IOTAが発行される。プールの報酬はステーク量と稼働実績で決まり、バリデーターが手数料を取り、残りを委任者が分ける。開始時の年間インフレ率は約6%で、期間ごとの発行量が変わらなければ割合は下がる。しかし、この発行規則はプロトコル方針であり、債券の固定利札ではない。

利用者は計算とストレージに費用を払う。参照ガス価格までの手数料は焼却され、追加手数料はバリデーターへ入り、ストレージ保証金はデータを削除すると全額返還される。供給量の純増減は、新規発行量と焼却量の差によって決まる。ステーキングAPYだけでは、これらの流れを差し引いた結果を判断できない。

委任は合意形成の力を分けるが、すべての権限を分けるわけではない

バリデーター候補には2,000,000 IOTAのステークが必要である。1,500,000を下回ると7期間の猶予に入り、1,000,000を下回ると次の境界で除外される。移行時の13組織は暫定的な集合で、その後はステーク順位による委員会へ移り、ローンチ時には50枠と説明された。これは以前の提案にあった150枠の構想とは異なる。

ステークは保有者自身が管理し、エポック全体を通じて有効だった期間についてのみ報酬が発生する。委任者はバリデーターを選び、稼働実績が悪ければ報酬が減る。手数料率は20%の上限と、投票力に連動する後発の最低値の範囲内で変更できる。委任はその時点での選択であり、保証収益ではない。

RebasedはMysticetiで始まり、2026年4月23日にプロトコル第24版がStarfishを有効化した。財団の技術者とオープンソースの貢献者が変更を書き、バリデーターが公開版を稼働させてネットワークへ適用した。この順序は、投票で選ばれた再設計が実際の台帳になる過程を示す。決定にはソフトウェアが必要で、そのソフトウェアにはバリデーターによる採用が必要だった。保全されたIOTA残高は、こうして実装された規則の下で動いている。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2015
    IOTAがTangleから始まる

    DAGを使い、採掘者も手数料も必要としない機械経済向けの設計が、最初のIOTA像を作った。

  2. 2021-04-28
    Chrysalisが台帳を作り直す

    ネットワークがEdDSAとUTXOを使う新しい構成へ移り、利用者は新しいウォレットの道具で移行した。

  3. 2023-10-04
    Stardustが継続支援される供給量の分岐を作る

    ネイティブ資産が導入され、支援されるIOTA側の供給量は4,600,000,000へ向かった。

  4. 2024-12-17
    Rebasedへの投票が終了

    投じられた票の98.37%が更新を支持し、参加率は7.52%だった。

  5. 2025-05-05
    Rebasedの創世手続きが状態を引き継ぐ

    13のバリデーター組織がスナップショットを検証し、Moveを使うDPoS台帳を始動した。

  6. 2025-05-05
    小数点以下の桁数と金融政策が変わる

    4,600,000,000 IOTAが移され、小数点以下は9桁となり、1期間767,000 IOTAの発行が始まった。

  7. 2026-03
    動的な最低手数料率がメインネットへ入る

    IIP-8により、バリデーターの実効的な最低手数料率が投票力の比率に連動した。

  8. 2026-04-23
    StarfishがMysticetiを置き換える

    プロトコル第24版が、障害時にも処理を進めやすくする合意形成方式を有効化した。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

IOTAとはどんなコイン?

現在のIOTAメインネットで、IOTAは`0x2::iota::IOTA`というネイティブのオブジェクト型である。RebasedネットワークはMove、オブジェクトの所有、保有者がステークをバリデーターに委任する委任型プルーフ・オブ・ステーク(DPoS)を採用し、2026年4月からStarfishを合意形成方式に使っている。技術上は以前のTangle、Chrysalis、Stardustの台帳を受け継いでいるが、現在は手数料のないUTXO方式ではない。

Rebasedの創世時には、Stardustから4,600,000,000 IOTAが移され、人が読む経済単位では残高が1対1で保たれた。小数点以下の桁数は6から9へ変わったため、台帳上の整数値は1,000倍になった。IOTAはガス代とストレージ保証金の支払い、ステーキング、定められたオンチェーン投票に使える。しかし、これらの機能からベルリンに拠点を置くIOTA Foundationの株式が生じるわけではない。

どんな課題を解決する?

当初のIOTAは、採掘者も取引手数料も使わず、機械が扱える規模で価値とデータを移すことを目指した。再設計のたびに制約を解決し、信頼の置き場所も変えた。Chrysalisは台帳を標準化し、Stardustはネイティブ資産とエコシステム向けの追加供給を導入した。Rebasedは、予定されていたIOTA 2.0を待つ代わりに、すでに実績のあるMove型の実行構成を選んだ。

誰でも使えるプログラム可能なネットワークでは、バリデーターへ報酬を払い、迷惑取引に費用を課す必要がある。Rebasedは、供給上限が固定され手数料がないという従来の設計を、期間ごとの発行、計算手数料の焼却、返還可能なストレージ保証金、委任によるバリデーター選択へ置き換えた。

どのような技術と仕組みで動く?

トランザクションは、Moveの所有オブジェクトまたは共有オブジェクトを操作する。所有オブジェクトだけを扱う経路では合意形成による順序づけを省ける場合があるが、共有オブジェクトの変更にはバリデーター委員会の合意が必要である。Starfishは2026年4月23日にメインネットで有効化され、4月28日に発表された。バリデーターの応答が遅い、または一時的に届かない状況でも処理を進めやすくするため、当初のMysticetiを置き換えた。

約24時間の期間ごとに、委任されたステークの順位から委員会が作られる。参加を申請する候補には2,000,000 IOTAが必要である。稼働中のバリデーターは、1,500,000を下回ると猶予措置、1,000,000を下回ると除外の対象になる。ステークは保有者自身が管理するオブジェクトで表される。報酬はステークがエポック全体を通じて有効だった期間についてのみ発生し、システムの解除関数で元本と累積報酬を引き出す。報酬はプールのステーク量、稼働実績、手数料率に左右されるため、画面に表示されるAPYは約束された利回りではない。

プロトコルは、バリデーター補助として1期間ごとに767,000 IOTAを発行する。参照価格までの基本計算手数料は焼却され、追加手数料はバリデーターへ入る。ストレージ手数料は保証金であり、対応するデータを削除すると100%返還される。したがって純供給量は発行と利用状況で決まり、創世時の46億IOTAは開始時点の値であって上限ではない。

重要ファクトの要約

  • 現在のネイティブ型は、Moveを使うIOTAメインネットの`0x2::iota::IOTA`である。
  • RebasedはStardustを停止し、検証済みのスナップショットを取得した後、2025年5月5日に稼働を開始した。
  • 創世時にはStardustから4,600,000,000 IOTAが、人が読む経済単位で1対1のまま移された。
  • 小数点以下の桁数は6から9へ変わり、経済的な保有量を増やさず、台帳上の整数値だけが1,000倍になった。
  • 手作業によるトークン交換は不要だったが、利用者には対応するウォレットの秘密情報または保管業者の対応が必要だった。
  • 2024年12月のRebased投票では、賛成が98.37%、参加率が7.52%だった。
  • 創世手続きにはIOTA Foundationと、ほかの12のバリデーター組織が参加した。
  • 創世後の目標は、約24時間の期間ごとに委任で選ばれる50の稼働バリデーター枠と説明された。
  • バリデーター候補には2,000,000 IOTAのステークが必要である。1,500,000と1,000,000を下回ると、それぞれ猶予と除外の規則が発動する。
  • 現在のプロトコルは1期間ごとに767,000 IOTAを発行し、固定の最大供給量はない。
  • 参照価格までの計算手数料は焼却される。任意の追加手数料はバリデーターへ入り、ストレージ保証金はデータ削除時に返還される。
  • バリデーター手数料の上限は20%で、実効的な最低手数料は投票力の比率に連動する。
  • ステークオブジェクトは保有者自身が管理する。報酬を得るにはエポック全体を通じて有効である必要があり、報酬額は稼働実績と手数料率で変わる。
  • Starfishは2026年4月23日にメインネットでMysticetiを置き換えた。
  • IOTAの投票権は、定められたネットワーク提案に関するものである。Foundationの株式、取締役の選任、配当、償還に関する権利は記されていない。
  • 保有者投票は定められた更新を承認できるが、財団株式、取締役投票、償還、配当、エコシステム組織の法的所有権は与えない。

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よくある質問(FAQ)

現在のIOTAは、手数料のない昔のTangleと同じですか?

違う。DAGの系譜は引き継ぐが、RebasedはMoveのオブジェクト台帳で、DPoS、ガス代、ステーキング、変動する供給量を採用している。現在の合意形成方式はStarfishである。

2025年5月に、保有者はトークンを手作業で交換する必要がありましたか?

手作業による交換は不要だった。創世手続きでStardustの状態をRebasedへ対応づけた。ただし資産へアクセスするには、秘密鍵、復元用の単語列、対応する保管業者のいずれかが必要だった。

なぜ残高の数字にゼロが三つ増えたのですか?

小数点以下の桁数が6から9へ変わったためである。台帳上の整数値を1,000倍にすることで、人が読む経済単位での残高を同じに保った。

46億IOTAが最大供給量ですか?

違う。46億IOTAは創世時に移された数量である。プロトコルは1期間ごとに767,000 IOTAを発行し、基本計算手数料を焼却するため、供給量は変化する。

ステーキング利回りは固定されていますか?

固定されていない。報酬は、委任された総ステーク量、バリデーターの稼働実績、手数料率、対象期間の資格、プロトコルの発行量に左右される。バリデーターは手数料率を変更できる。

誰でもバリデーターになれますか?

プロトコル上の条件を満たせば参加申請に許可は要らない。ただし候補には最低2,000,000 IOTAの委任が必要で、稼働委員会に入るだけの順位も必要である。

委任すると資産の管理権を渡しますか?

プロトコルはステークを保有者自身が管理するオブジェクトに包む。システムのMoveパッケージの解除関数を使い、元本と累積報酬を引き出す。報酬が発生するのは、ステークがエポック全体を通じて有効だった期間だけである。

賛成98.37%とは、ほぼすべてのトークンが投票したという意味ですか?

違う。98.37%は投じられた票の中での賛成率であり、投票資格のある重み全体に対する参加率は7.52%だった。

IOTAを持つとIOTA Foundationを管理できますか?

そのような法人上の権利は記されていない。ネットワーク投票では定められたプロトコルや財務提案を扱えるが、Foundationの株式、取締役の選任、配当、債権者としての権利は得られない。

誰がプロトコルを変更できますか?

トークン投票が方針を決め、Foundationの開発者と貢献者が公開版を準備し、バリデーターがネットワークを進めるソフトウェアを選ぶ。どれか一つの賛成率だけでは、更新経路の全体を説明できない。

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