AUSD

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CoinYQ コイン史

AUSDが広がるほど、1ドルへの帰り道は選別された

AUSDは2025年9月にバミューダの免許を持つ発行者を明確にし、その2か月後には複数チェーンの供給を結ぶ仕組みを採用した。ところが2026年にInjectiveでの発行を止めたことで、ウォレット間を移せるドル建てトークンと、発行者への償還請求が同じ条件で続くわけではないことが現実の手続きとして表れた。

免許で発行者が明確になった後、対応チェーンが広がった

2025年9月5日、Agora Bermuda LimitedのBMA Class F免許が発効した。現行規約では、同社が分別勘定のために行為するAUSDの発行者である。英領バージン諸島のAgora Blue Limitedは顧客口座とプラットフォームを提供する。利用画面を運営する会社とトークンの法的な発行者は、関係しながらも異なる役割を担う。

トークンを移転できても、発行者との顧客関係まで移るわけではない。規約は、口座を持たない保有者もトークンに関する条件の適用を受ける一方、Agoraの顧客ではないと区別する。共通のEVMアドレスと別個のSolanaミントは、同名のトークン、第三者のラップドトークン、顧客発行のホワイトラベル商品からAgora AUSDを見分ける基準になる。

複数チェーンへの拡大は供給管理も増やした

Agoraは2025年11月13日、LayerZeroのOFTを採用し、チェーンごとのAUSD供給を設定可能なメッセージ基盤で結び始めた。現在の資料には九つのEVMネットワークとSolanaが載る。利用先が増えるほど、各チェーンで同じ通貨単位を保つための発行・焼却と、どの経路を支援するかという運営判断の比重も大きくなる。

その管理はコードにも表れている。EVM版には実装や担当者を変更するAdminと、発行、焼却、一時停止、凍結を担う個別の役割がある。Solana版ではPermanentDelegateが制限のない委任権限を持ち、TransferHookが送金時に独自の処理を呼び出す。これらは規制対応や供給量の整合に用いられるが、管理鍵の侵害や運用判断が保有者の送金可能性に直接影響する構造でもある。

Injectiveからの撤退が、チェーン対応を期限付きの手続きに変えた

Agoraは2026年4月3日、InjectiveでのAUSD新規発行と報酬を停止した。既存残高を直ちに無効としたのではなく、額面での通常償還を9月28日まで続けると告知し、新規発行の終了と既存トークンの処理を分けた。

9月28日後も残余請求は履行されると説明されているが、より厳格な本人確認と手数料が必要になる場合がある。この経路は通常期間より条件が狭く、すべてのウォレット保有者が発行者の直接顧客として受理されることを保証しない。チェーン対応を終える権限が、一般条項ではなく実際の期限と手続きとして表れた。

7月の報告書は撤退期間中の準備資産を測定した

2026年7月31日のオンチェーン総供給量は264.874百万AUSDだった。報告書は、発行済みだが未配布で会社だけが保管する在庫と、アクセス拒否対象アドレスに紐づく分を合わせた24.128百万AUSDを除外し、流通額を240.746百万ドルとした。準備資産の公正価値は241.477百万ドルで、報告書の基準では731,088ドル上回った。

Grant Thorntonの意見は7月10日と31日の二時点に関するもので、その後もすべての資産が換金可能だと常時証明するものではない。規約上の処理目標は通常時48営業時間、市場混乱時96営業時間だが、準備資産が流動性を失った場合などには遅延や現物弁済が認められ、請求先は分別勘定の資産に限られる。チェーン対応、顧客資格、基準日付きの準備資産計算を併せて見て初めて、個々の保有者がドルへ戻る経路を評価できる。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2025-09-05
    バミューダのClass F免許が発効

    BMAの登録簿に、Agora Bermuda Limitedがデジタル資産を発行、販売、償還できる事業者として記載された。

  2. 2025-11-13
    LayerZero OFTを採用

    Agoraが、チェーンごとのAUSD供給を設定可能なメッセージ基盤で接続し始めた。

  3. 2026-04-03
    Injectiveでの新規発行を停止

    新規発行と報酬を終了し、額面での通常償還を9月28日まで継続すると告知した。期限後の残余請求には、より厳格な本人確認と手数料が適用される。

  4. 2026-07-31
    準備資産が算定上の流通額を上回る

    準備資産241.477百万ドルに対し、報告書の基準で算定したAUSD流通額は240.746百万ドルだった。

  5. 2026-09-01
    現行の発行者・プラットフォーム規約の基準日

    現行規約は両社の役割、顧客資格、償還条件、凍結と実装変更の権限を示す。

  6. 2026-09-01
    Grant Thorntonが7月分の報告書に署名

    7月10日と31日の二つの基準日について、経営者の準備資産に関する主張に合理的保証を付した。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

AUSDとはどんなコイン?

AUSDは、バミューダ法上の分別勘定を通じてAgora Bermuda Limitedが発行する、小数点以下6桁の米ドルステーブルコインである。発行者は、2025年9月5日付で効力を生じたバミューダ金融庁(BMA)のClass Fデジタル資産事業免許を保有する。英領バージン諸島法人のAgora Blue Limitedは、顧客がAUSDを発行・償還するための口座とプラットフォームを提供するが、現行規約が定める法的な発行者ではない。

公式のAUSDを見分ける手掛かりは、Agoraが対応先として掲げるEVMネットワークで共通するアドレス0x00000000eFE302BEAA2b3e6e1b18d08D69a9012aと、SolanaのToken-2022ミントAUSD1jCcCyPLybk1YnvPWsHQSrZ46dxwoMniN4N2UEB9である。AUSDという記号だけを使うトークン、第三者が発行したラップドトークン、AUSDを裏付けに顧客が発行するホワイトラベル商品に、Agoraへの償還権が自動的に付くわけではない。

どんな課題を解決する?

準備資産型トークンでは、オンチェーンで作られた総量と、報告書が流通中とみなす量を区別して照合する必要がある。2026年7月31日の総供給量は264,873,540 AUSDだった。ここから、発行済みだが未配布で会社だけが保管する在庫と、アクセス拒否対象アドレスに紐づく分を合わせた24,127,673 AUSDを除外し、流通額を240,745,867ドルと算定した。同日の準備資産の公正価値は241,476,955ドルで、報告書の基準では731,088ドル上回った。

この照合が、すべてのウォレットに発行者への直接償還請求権を与えるわけではない。Agoraの規約では、登録していない保有者はAgoraの顧客ではない。本人確認を終えた法人顧客だけが、自らの計算と自らのウォレットでAUSDを直接発行・償還できる。流通市場でAUSDを取得した人は、発行者の顧客として承認されるまでは、市場の流動性を利用することになる。

どのような技術と仕組みで動く?

Agoraの規約上、準備資産には現金、短期米国債、翌日物のレポおよびリバースレポ、その他の米ドル建て資産、規制対象のステーブルコイン、トークン化された債券を組み入れることができ、構成はAgoraが決める。2026年7月31日付の報告書には、米国債61,365,065ドル、米国債レポ114,933,254ドル、ファンド内の現金10,510,374ドル、その他の銀行預金48,604,476ドル、ステーブルコイン6,063,786ドルが記載された。VanEckがファンド資産を運用し、State Streetがカストディアン兼ファンド管理者として示され、Grant Thorntonが毎月の検証報告を担当する。

発行者は、通常時の償還を48営業時間以内、市場混乱時を96営業時間以内に処理することを目標としている。ただし、準備資産が流動性を失った場合、利用できない場合、または失われた場合には、支払いを遅らせたり、現金ではなく準備資産そのもので弁済したりできる。準備資産から生じる収益は、一般のAUSD保有者に当然に帰属しない。任意の報酬制度も参加者ごとに承認され、報酬率が異なる場合があり、Agoraの裁量で変更または終了される。

EVM版AUSDでは、Admin、Pauser、Freezer、Minter、Burnerという役割が分けられている。Adminは役割の担当者とコントラクトの実装を変更でき、その他の権限者は送金の一時停止、残高の凍結、発行、焼却を行える。Solana版では、PermanentDelegateが制限のない委任権限を持ち、TransferHookが送金時に独自の処理を呼び出し、Mint Close Authorityがミントを閉鎖できる。さらにAgoraは、設定変更が可能なLayerZero OFT接続を導入した。これらは規制対応とチェーン間の供給管理に使われる一方、管理鍵の運用状況そのものをAUSDの信用条件にしている。

重要ファクトの要約

  • 発行者はAUSDの分別勘定のために行為するAgora Bermuda Limitedであり、Agora Blue Limitedは英領バージン諸島から顧客口座とプラットフォームを提供する。
  • BMAのClass F免許は2025年9月5日に発効し、デジタル資産の発行、販売、償還を対象とする。
  • 2026年7月31日時点の準備資産の公正価値は241,476,955ドル、AUSDの流通額は240,745,867ドルだった。
  • 同じ報告書は総供給量を264,873,540 AUSDとした。流通額から除外した24,127,673 AUSDは、発行済みだが未配布で会社だけが保管する在庫と、アクセス拒否対象アドレスに紐づく分の合計である。
  • 直接の発行・償還は、自らのウォレットを使う本人確認済みの法人顧客に限られる。現行規約では米国が禁止地域に含まれる。
  • 償還処理の目標は通常時が48営業時間以内、市場混乱時が96営業時間以内だが、遅延や現物弁済が行われる可能性も規約に定められている。
  • 準備資産の収益は保有者の権利ではない。報酬制度は任意参加で、採用の可否や報酬率は参加者ごとに異なり得る。
  • 公式EVMアドレスは0x00000000eFE302BEAA2b3e6e1b18d08D69a9012a、SolanaのミントはAUSD1jCcCyPLybk1YnvPWsHQSrZ46dxwoMniN4N2UEB9である。
  • Admin、Pauser、Freezer、Minter、Burnerの各権限により、実装変更、一時停止、残高凍結、供給量の変更が可能である。
  • Injectiveでの新規発行は2026年4月3日に終了した。額面での通常償還は2026年9月28日までで、その後に残る請求は、より厳格な本人確認と手数料の対象となる。

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よくある質問(FAQ)

AUSDは誰でも発行者に1ドルで直接償還してもらえますか?

いいえ。発行者への直接の発行・償還には、Agoraが承認した顧客関係が必要です。現行規約では、対象地域に所在する法人が本人確認を終え、自らの口座とウォレットを使う場合に限られます。

AUSDを保有すると米国債の利息を受け取れますか?

トークンを持つだけで利息を受け取る権利は生じません。準備資産の構成と収益の扱いはAgoraが決めます。報酬制度も任意参加かつ裁量制で、利用できる地域が限られ、参加者ごとに異なる報酬率が設定されることがあります。

最新の検証報告は何を確かめたものですか?

Grant Thorntonは、2026年7月10日と7月31日の各時点で、準備資産の公正価値がAUSDの流通額以上だったという経営者の主張を検証しました。定められた基準日に関する検証であり、将来の価値や継続的な支払能力を保証するものではありません。

自己管理ウォレットにあるAUSDもAgoraが凍結できますか?

Agoraがウォレットの秘密鍵を取得するわけではありません。ただし、権限を持つアカウントは、そのアドレスのAUSD残高を凍結し、コントラクトを一時停止し、所定の操作でトークンを焼却し、実装を変更できます。

AUSDは今後もすべての対応チェーンで使い続けられますか?

保証されていません。どのチェーンやフォークを支援するかはAgoraが決めます。Injectiveでは2026年4月3日に新規発行が止まり、額面での通常償還は9月28日で終了します。それ以降に残る請求は、より厳格な本人確認と手数料の対象となり、受理が保証されるわけではありません。

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