JPYSC

jpysc
時価総額順位 #206•Stablecoins, Ethereum Ecosystem, JPY Stablecoin
CoinYQ コイン史

JPYSCはEthereumの鍵の裏側に円請求権を置いた

JPYSCは信託契約と銀行窓口から始まり、アップグレード可能なEthereumトークンになった。焦点は1円表示ではなく、誰が鍵を支配し、誰が償還し、誰がコントラクトを止められるかという法的規則にある。

一つの約束を三社で分けた

発行者はSBI新生信託銀行。SBI VCトレードは流通と当初委託者・受益者、Startaleは技術基盤を担う。役割を混ぜれば、規制された信託請求権が曖昧な技術会社の約束に変わる。

三社は2025年12月に分担を定め、2026年2月に名称を発表し、6月24日に信託を開始した。

トークン自体が受益権になった

約款は価格安定だけでなく、JPYSCが元本受益権を表すと定める。一人が秘密鍵を独占管理すればその人、取引業者が鍵を管理すれば取引業者に受益権が帰属する。

秘密鍵の管理を委ねることは、画面上の利便性だけでなく法的立場も変える。取引業者に管理を委託した利用者は、約款上、その業者に対する受益権の返還請求権を持つ。約款は、受託者の事前承諾なしに受益権を譲渡することも禁じている。Ethereum上で技術的に移転できることは、この法的条件をなくすものではない。

最初の100億枚は口座内にいた

6月30日概要は10,008,294,794枚を記録したが、当初利用はSBI VCトレード口座内に限られ外部出庫は未対応だった。

Startaleはパブリックチェーン決済を将来像とした。同じページの注記は出庫可能化と法務・税務・規制確認を条件にした。

1円にも窓口費用がある

現保有者は本人確認と適法性の確認を受け、指定ウォレットへJPYSCを送付し、本人名義の銀行口座で円を受け取る。所定の手続きを経た受付後、標準では2営業日以内だが、確認の状況によって延びる場合がある。

3,000円と消費税等、銀行振込手数料、ネットワーク手数料がかかる。1円単位の権利があっても、少額を個別に償還すると費用が重くなる。

円との価格連動より先に準備資産の価値が動く

信託財産は預金または日本国債。元本超過価値が求められても、発行者は国債評価低下と元本損失を明示する。

信託運用益は保有者へ配当されない。運用成果と償還請求権は別の層である。

法令順守の仕組みをコードに組み込む

検証済みのUUPS方式の実装では、送金を一時停止する権限、アドレスを制限する権限、発行と発行先を管理する権限、強制移転を行う権限、実装を更新する権限が分かれている。制限対象のアドレスからは、裁判所命令に対応する処理で残高を移転できる。

これらは規制事業者が必要とする機能である。同時に、公開チェーン上で移転できることが、誰でも無条件に取得・償還できる円を意味しないことも示している。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2025-12-16
    三社が事業を発表

    信託銀行、SBI VCトレード、Startaleが法務・流通・技術を分担。

  2. 2026-02-27
    JPYSCの名称を発表

    名称、ロゴ、信託型構造を公開。

  3. 2026-06-23
    信託契約を締結

    取引約款が発行前日を契約日として記録。

  4. 2026-06-24
    JPYSC発行開始

    SBI VCトレード口座内で提供開始。

  5. 2026-06-30
    最初の取引概要

    10,008,294,794枚と発行業務監査の記載なしを記録。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-04

JPYSCとはどんなコイン?

JPYSCはEthereum ERC-20コントラクト0x6781d5631BFe47432b089e64e3EaB3b6eDd26177である。SBI新生信託銀行が特定信託の元本受益権をオンチェーン表示として発行する。SBI VCトレードは委託者・当初受益者かつ登録電子決済手段等取引業者で、Startaleは技術開発者であって発行者ではない。

1 JPYSCを1円の計算・償還単位とする。ただし利息付き預金ではない。保有者への信託収益・利息の分配はなく、預金保険の対象でもない。

どんな課題を解決する?

規制外の技術会社を円の発行者にせず、大口の円決済をパブリックチェーンへ運ぶことが狙いである。規制下の信託銀行、登録取引業者、ソフトウェア開発者が役割を分けた。

その分業が制約も生む。トークンがEthereumに存在しても、直接償還窓口は本人、ウォレット、本人名義口座を確認する。「オンチェーン円」は無条件に換金できる匿名現金ではなく、制度上のゲートを持つ決済手段である。

どのような技術と仕組みで動く?

新たな信託金をSBI新生信託銀行に入れ、SBI VCトレードの指図に従ってJPYSCを発行する。発行権限を与えられた主体は、割り当てられた上限の範囲内で、許可された発行先にだけトークンを作成できる。償還された分は焼却され、供給が減る。信託財産は円預金と日本国債で運用され得る。

現保有者は受託者に円の直接支払いを請求できる。ただし、本人確認と適法性の確認を受け、指定ウォレットへトークンを送付し、本人名義の銀行口座で受け取る必要がある。所定の手続きを経た受付後、標準では2営業日以内に処理されるが、確認の状況により長引く場合がある。3,000円と消費税等、銀行振込手数料、ネットワーク手数料がかかるため、小口の償還では費用が負担になり得る。

コントラクトの実装は更新可能である。送金の一時停止、特定アドレスの取引制限、発行者と発行上限の管理、発行先の許可、裁判所命令に対応した強制移転には、それぞれ権限が設けられている。法令順守を支えると同時に、一般保有者の意思だけでは管理者の介入を防げない設計でもある。

約款は、受託者の事前承諾なしに受益権を譲渡することも禁じている。Ethereum上で技術的に移転できることは、この法的条件をなくすものではない。

重要ファクトの要約

  • 正規コントラクトはEthereum上の0x6781d5631BFe47432b089e64e3EaB3b6eDd26177で、小数点以下18桁を扱う。ERC-1967プロキシを通じて実装を更新できる。
  • 発行者はSBI新生信託銀行、取扱・流通はSBI VCトレード、開発はStartale Group。
  • 法的形態は特定信託の元本受益権で、資金決済法上の第3号電子決済手段。
  • 信託財産は円預金と日本国債を含み得る。国債評価損があり、元本は保証されない。
  • 直接償還にはKYC、トークン送付、同一名義口座が必要で、受付後の標準は2営業日。
  • 償還には3,000円と消費税等、銀行振込手数料、Ethereumのネットワーク手数料がかかる。
  • 発行上限は記載されず、2026年6月30日の公式概要は10,008,294,794 JPYSCを記録。
  • 保有者への利息・信託収益分配はなく、預金保険もない。
  • 約款上、秘密鍵の管理方法が基礎受益権の帰属主体を変える。
  • 管理権限を持つ主体は、送金停止、アドレス制限、上限内の発行、裁判所命令に対応した強制移転、実装の更新を行える。
  • 当初流通はSBI VCトレード口座内で、外部ウォレット流通は条件付き将来計画だった。
  • 約款は、受託者の事前承諾なしに受益権を譲渡することも禁じている。Ethereum上で技術的に移転できることは、この法的条件をなくすものではない。

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よくある質問(FAQ)

JPYSCの発行者はStartaleかSBI VCトレードか。

どちらでもない。法的発行者はSBI新生信託銀行。SBI VCトレードは取扱・流通、Startaleは技術開発を担う。

全ウォレット保有者が直ちに1 JPYSCを1円へ換えられるか。

現保有者には直接円請求権があるが、KYC・法令確認、指定ウォレットへの送付、同一名義口座が条件。受付後に処理基準が始まり、費用もかかる。

準備資産は全て現金か。

違う。発行者は円預金と日本国債で運用し得ると説明する。国債価格は下がるため元本も市場価格1円も保証されない。

JPYSC保有で利回りを得るか。

得ない。発行者は利息や信託収益を分配しない。別の貸コイン商品は権利とリスクが異なる商品である。

管理者はJPYSCを凍結・変更できるか。

検証済み実装には、送金の一時停止、アドレスの取引制限、発行管理、強制移転、UUPS方式による実装更新の権限がある。これらは運営上の権限であり、一般保有者に与えられた権利ではない。

開始時から外部ウォレットへ自由に出庫できたか。

できなかった。6月24日の告知はSBI VCトレード口座内から始め、外部流通は法務・税務・規制確認後の課題とした。

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