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(3,3)の後、Olympusは財庫を貸し手に変えた

Olympusは、財庫に資産を売って受け取ったOHMをステーキングすれば、供給拡大が残った参加者に報いるという仕組みから始まった。華々しいAPYへの熱が薄れた後も、蓄積された財庫は残った。Olympus v3はこれを1ドルの価格下限という物語より、流動性、買い戻し、融資、統治に基づく発行のための資産として使う。

68,260 OHMで始まったDiscord販売と参加の仕組み

2021年3月、Olympusは初期供給68,260 OHMを発表した。対象となるDiscord参加者への販売が50,000枚、初期流動性向けが18,260枚だった。開始告知は本稼働前のアルファ段階として、ボンディングとステーキング、一部の手動処理、段階的な流動性投入に基づく極めて高い予想APYを説明した。

ボンディングは流動性の所有者を変えた。Olympusは外部の流動性提供者に報酬を払い続ける代わりに、DAI、ETH、流動性提供持分を財庫へ受け入れ、割引価格のOHMを時間をかけて渡した。資産と流動性持分をプロトコルが保有するこの考え方は、後にプロトコル所有流動性と呼ばれるようになった。

`(3,3)`はこの仕組みをミームに凝縮した。売却せずステーキングやボンディングに参加すれば、ゲーム全体の利得が高くなるという考えだ。ただしリベースによるOHM増加は新規発行によるものだった。残高が増えても、保有者当たりの財庫資産や購買力が増える保証はなかった。

リベース終了後もgOHMに残った指数

2021年末のV2移行はwsOHMの役割をgOHMに置き換え、オンチェーン統治への道を整えた。gOHMは表示残高をリベースせず、内包するOHM換算量がプロトコルのステーキング指数に応じて変わる。移行文書は旧OHM・sOHMコントラクトと新しいトークンアドレスを区別した。

現在の旧版文書は、リベース型ステーキングがすでに終了したと明記する。2026年には旧V1移行経路を停止し、そのコントラクトに残るgOHMを焼却するための統治手続きも進んだ。今日のgOHMは、複利APYが際限なく伸びる画面よりも統治と融資担保の役割を担っている。

裏付け資産は償還窓口より融資余力になった

Olympusは財庫の準備資産と流動性持分を所有・管理する。現行文書は、市場操作とCooler融資に向けて準備資産を主にsDAI・USDS関連資産へ整理したと説明する。これらはプロトコルの資産であり、OHM保有者が自分の比率分を一方的に引き出せる権利は確認されていない。

Cooler V2は裏付けを融資に変える。借り手はgOHMを預託し、財庫からUSDSを受け取る。文書上の条件は年利0.5%(APR)、無期限、最低債務1,000 USDSで、価格による清算はない。融資開始時のLTV、利息、債務不履行の基準は、恒久的なトークンの権利ではなく統治で変更できる設定値だ。

価格オラクルによる清算がなくても、債務不履行は起こり得る。利息は継続して発生し、未払い分が基準を超えると担保のgOHMが焼却され得る。借りたUSDSでgOHMを買い直して借入を繰り返せば価格への影響度は高まる。預託担保の議決権は委任規則によって扱いが決まる。

新規供給を動かすプレミアム条件

OHMに固定の最大供給量はない。v3ではMINTRモジュールが発行・焼却を担い、政策コントラクトはKernelを通じて限定された権限を受ける。チェーン間移動では一方で焼却またはロックし、他方で発行または解放する。プロトコルの純増供給の基準チェーンはEthereumだ。

Emissions Managerは、財庫裏付け額に対するOHMのプレミアムが統治で定めた最低値を超えると、Convertible Depositsの競売を開ける。転換時にOHMが発行され、売れ残った枠はボンディング市場に回る場合がある。準備資産を得るためにOHMを売る仕組みであり、旧来のリベース報酬やCooler融資とは供給への作用が異なる。

Governor Bravoとマルチシグが分担する権限

gOHM保有者は議決権を委任し、一定の割合基準を超えれば提案を提出できる。承認済みの処理はGovernor BravoとTimelockを通じて実行される。一方、役割表にはDAO・Emergencyマルチシグの管理、保管、ブリッジ、運営、緊急対応の権限が残る。緊急用アドレスは提案を拒否し、指定システムを停止できる。

移行の跡は文書にも残っている。RBS専用ページは停止済みとし、買い入れをYRF、売却をEmissions Managerが引き継いだと説明するが、トークンとコントラクトの概要にはRBSが現在も価格帯を維持するような記述がある。具体的な運営状態を優先して読むことで、古い機能を今の償還下限と取り違えずに済む。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2021-03-12
    Discord初回販売が開始

    3日間の販売が始まり、初期68,260 OHMを配分する計画が動き出した。

  2. 2021-03-14
    OHMの取引開始

    ボンディングとステーキングを軸に、プロトコルが流動性を所有する試みが始まった。

  3. 2021-10-14
    Olympus V2を発表

    提案はgOHM、オンチェーン統治、ボンディング持分の再設計を中心に据えた。

  4. 2023年
    Coolerが財庫融資を打ち出す

    gOHMを担保にした融資により、裏付けという説明が具体的な貸付機能につながった。

  5. 2024年
    Governor Bravoによる統治が拡大

    OCGがプロトコル変更を実行し始める一方、マルチシグも文書に記された役割を維持した。

  6. 2025年
    Cooler V2で無期限融資へ

    MonoCoolerは価格清算と満期をなくし、未払い利息による債務不履行の規則を残した。

  7. 2026-02-08
    旧移行経路の停止を計画

    統治計画は移行コントラクトの残存gOHM焼却と旧V1経路の閉鎖を予定した。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-04

Olympusとはどんなコイン?

OlympusはEthereum上で財庫を運営する金融政策プロトコルだ。OHMは財庫資産に裏付けられるものの、供給上限がなく法定通貨価格にも固定されない。ステーキングしたOHMを包むgOHMは、ステーキング指数に応じてOHM換算量が変わり、統治とCoolerの担保に使われる。現行の政策コントラクトは、統治で定めた条件に従ってOHMを発行・焼却・買い戻し、新規供給分を販売し、財庫のUSDSを貸し付けることができる。

どんな課題を解決する?

初期のOlympusは、外部の流動性提供者に報酬を払い続ける構造を変えようとした。ボンディングの参加者は準備資産や流動性提供持分を財庫に売って割引価格のOHMを受け取り、ステーキング参加者には新規発行分がリベース報酬として配られた。プロトコル自身が流動性を保有するようになった一方、高い年複利利回り(APY)と`(3,3)`の呼びかけは、供給増加による希薄化を収益のように見せた。現在の課題は、各OHMがいつでも財庫を償還できると誤解させずに、財庫の裏付けを融資と管理された金融操作に生かすことにある。

どのような技術と仕組みで動く?

Olympus v3のKernelはMINTRやTRSRYなどのモジュールと、権限を与えられた政策コントラクトを結ぶ。MonoCoolerは統治で設定された条件の下、gOHMを担保に財庫のUSDSを貸し付ける。市場価格による清算はないが、未払い利息が基準を超えると債務不履行となり担保が焼却され得る。Emissions ManagerはOHM価格の財庫裏付け額に対するプレミアムが設定値を上回ると、Convertible Depositsという転換型預入商品を通じてOHMを供給する。可決された提案はGovernor BravoとTimelockを通じて実行されるが、DAO・Emergencyのマルチシグにも運営権限や拒否・停止経路が残る。

重要ファクトの要約

  • 2021年3月の開始計画は初期供給68,260 OHMのうち50,000枚をDiscord販売に割り当てた。初期の仕組みはステーキングとボンディングで構成された。
  • `(3,3)`は売却よりステーキングやボンディングを選ぶ方が参加者全体に有利だという初期のゲーム理論を表した。リベースAPYの原資は財庫の現金収入ではなく、新規発行OHMだった。
  • 従来のリベース型ステーキングは終了している。V2移行で導入されたgOHMは指数に連動するラップトークンで、統治と複数チェーンでの利用を想定して設計された。
  • OHMに固定供給上限はない。v3ではMINTRの権限で発行・焼却を制御し、プレミアムに基づく新規供給はConvertible Depositsの競売と売れ残りを扱うボンディング市場を通じて行われ得る。
  • gOHMのラップを解除すると指数に応じた量のOHMを受け取る。OHMやgOHMを持つだけで、財庫資産を持分比率に応じて一方的に引き出す権利は得られない。
  • Cooler V2の文書は、gOHM担保の無期限USDS融資を年利0.5%(APR)、最低債務1,000 USDSと説明する。担保に対する融資比率(LTV)と債務不履行の基準は統治で設定され、不履行時の担保は焼却される。
  • Coolerの借入自体はOHMを発行しない。預託されたgOHMを担保に財庫のUSDSを借り手へ送る。借入資金を再び担保購入に回す反復借入は、価格へのエクスポージャーや議決権の集計を複雑にし得る。
  • RBS専用ページはRange Bound Stabilityが停止され、Yield Repurchase FacilityとEmissions Managerに置き換えられたと記す。一方、トークンとコントラクトの概要にはRBSを現行機能として扱う説明が残る。
  • Olympusはオンチェーン統治とマルチシグ運営を併用する。Governor BravoとTimelockが提案の実行と一部の役割を担い、役割文書はDAO・Emergencyマルチシグにも多くの運営・緊急権限を割り当てている。

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よくある質問(FAQ)

`(3,3)`は何を約束したのか。

売却よりステーキングとボンディングが互いに有利だと示す行動調整の合言葉だった。価格、購買力、実質収益を保証したわけではない。リベース残高は新規トークン発行によって増えた。

財庫の裏付けがあればOHMを準備資産に償還できるのか。

通常のOHM保有者に財庫資産を比例償還する一般的な機能は文書で確認できない。財庫の裏付けは政策、買い戻し、Cooler融資の基礎となる。市場での売却、稼働中の取引機能、融資には、それぞれ利用枠と契約条件がある。

OHMとgOHMはどう違うのか。

OHMは金融政策の対象となるトークンだ。gOHMは指数に応じてOHM換算量が変わるステーキング持分を包み、主に統治とCooler担保に使われる。ラップ解除時はステーキング指数に従ってOHMに戻る。

OHM価格が下がるとCoolerの担保は清算されるのか。

Cooler V2には市場価格による清算や外部価格オラクルを使う清算条件はない。ただし未払い利息が統治で決めた基準を超えると債務不履行となり、gOHM担保が焼却され得る。統治はリスク条件を変更できる。

Cooler Loansは新しいOHMを発行するのか。

発行しない。現行文書はOHM供給を増やさないと明記している。gOHMを担保に財庫のUSDSを貸す仕組みであり、発行権限はEmissions Managerなど別の政策コントラクトが持つ。

誰がOHMの発行やOlympusの変更・停止を行えるのか。

Kernelが政策コントラクトに権限を与え、MINTRが発行・焼却を処理する。Governor BravoはTimelock経由で承認済みの更新を実行できる。DAOマルチシグの管理権限とEmergencyマルチシグの停止・拒否権限も残り、gOHM投票だけが統制手段ではない。

RBSは現在も価格の下限を守っているのか。

RBS専用の状態ページは停止済みとし、下側の買い入れと上側の売却をそれぞれYRFとEmissions Managerに移したと説明する。一部の概要ページの現在形表現とは食い違うため、今使える償還保証と読んではならない。

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