BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund

buidl
CoinYQ コイン史

BUIDL:株主名簿がウォレットへ入った日

BUIDLは、BVIの私募型資金管理ファンドの議決権のない持分を、承認済み投資家がウォレットで保有できるトークンにした。2024年3月の開始後、決済速度、ネットワーク、用途は広がったが、名義書換代理人、カストディアン、募集書類が引き続き持分を管理する。

トークンより先にあったファンド持分

法的発行体BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund Ltd.は2023年に英領ヴァージン諸島で設立された。最初のSEC届出はRule 506(c)とSection 3(c)(7)に基づく未登録私募ファンド持分だった。2024年3月20日の発表時から、販売対象は適格投資家向け証券である。

投資対象は暗号資産の値上がりではなく資金管理だった。現金、短期米国債、担保付レポを持ち、1トークンが議決権のない参加型持分を表す。1ドル目標は残高を読みやすくした一方、同じ開示は1ドル割れと元本損失も警告した。

一つのウォレット残高を支える四つの役割

BlackRock Financial Managementが投資を決め、BNY Mellonが資産を保管・管理する。Securitizeが公式株主記録、配当支払い、トークン化を担い、系列ブローカーディーラーSecuritize Marketsが適格投資家へ持分を販売する。

申込みがウォレット残高になるまでにもこの分業が働く。書類が整い、カストディアンが入金を確認して初めてSecuritizeが持分を発行する。無権限の移転を拒否し、トークン記録を訂正できる。償還も募集書類に従う。ブロックチェーンは株主名簿の一部であり、周囲の機関を置き換えない。

1ドル持分に複数の出口が生まれる

ローンチ時は収益を毎日計上し、毎月追加トークンとして支払う設計だった。ファンド償還では、2024年5月のSecuritize Markets STEP申請が、営業日に名義書換手続きへ持分を送り、締切と最低額を満たせば登録銀行口座へNAV相当の米ドルを受け取る流れを示した。

Circleの24時間USDC交換、その後のRLUSD対応、2026年のUniswapX市場は別の出口である。承認済み相手方へ持分を売却・交換するため速く見えるが、ファンドが24時間米ドル償還を保証するわけではない。

チェーンの発表が公式アドレス一覧より先に増えた

BUIDLはEthereumからAptos、Arbitrum、Avalanche、Optimism、Polygonへ広がり、2025年3月25日にSolanaクラスが7番目のチェーンへ加わった。Securitizeはこの時点で運用資産10億ドル超を発表した。BlackRockは現在、7チェーンの公式アドレスと二つのEthereum表現を詐欺対策ページに掲載する。

2025年11月14日、SecuritizeはBNB Chain上の新たなシェアクラスも発表した。しかし2026年9月に確認したBlackRockの詐欺対策アドレス一覧は、それ以前の7ネットワークだけを掲載し、BNB Chainのアドレスを示していない。この発表はBNB Chain上でのシェアクラス開始を公式に伝える一方、公式BNBコントラクトを推定する根拠にはならない。送付前に正確なアドレスとクラスを確認する必要がある。

用途も増えた。2025年6月には適格顧客がCrypto.comとDeribitでBUIDLを担保に使えるようになり、2026年2月には許可リスト投資家向けUniswapX経路が開いた。投資家承認の仕組みはチェーンが増えても続く。公開資料で技術権限を最も明確に確認できるEthereumでは、発行、停止、凍結、強制移転、焼却、更新の役割が残る。他ネットワークのコードまで同一だと証明されたわけではない。BUIDLは持ち運びやすくなった規制ファンド持分であり、無許可のドルではない。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2023-09-18
    英領ヴァージン諸島でファンド設立

    後にトークンの法的発行体となるBlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund Ltd.が設立される。

  2. 2024-03-18
    私募がEDGARに載る

    最初のForm DがRule 506(c)とSection 3(c)(7)によるファンド持分募集を届け出る。

  3. 2024-03-20
    EthereumでBUIDLをローンチ

    初回最低500万ドル、日次計上・月次トークン分配でBlackRock初の公開チェーントークン化ファンドが始まる。

  4. 2025-03-25
    Solanaが7番目のチェーンに

    運用資産10億ドル突破後、新しいSolanaシェアクラスが登場する。

  5. 2025-06-18
    取引所の担保として採用

    SecuritizeがCrypto.comとDeribitの適格・機関顧客向けBUIDL担保対応を発表する。

  6. 2025-11-14
    BNB Chainクラスを発表

    Securitizeが新しいBUIDLシェアクラスとBinanceでの担保利用を発表したが、CoinYQが後に確認したBlackRockの一覧にはBNB Chainコントラクトがない。

  7. 2026-02-11
    許可型取引がUniswapXへ

    Securitize Marketsが承認済み参加者間のRFQ取引経路を追加する。

  8. 2026-07-27
    Form Dを再び修正

    修正届は当初のForm Dにもあった外部投資家の最低受入額10万ドルを繰り返す。ローンチ資料とSTEP申請の500万ドルとの差は解消せず、現行クラス条件の代わりにはならない。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fundとはどんなコイン?

BUIDLは、BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund Ltd.の議決権を持たない参加型持分をブロックチェーンで表したものだ。発行体は英領ヴァージン諸島の私募ファンドであり、トークンはファンド証券である。個人向け決済ステーブルコインでも銀行預金でもなく、特定の米国債を直接所有する証明書でもない。

BlackRock Financial Managementが現金、短期米国債、担保付レポを運用し、方針上認められた系列の政府系マネーマーケットファンドも利用できる。BNY Mellonはカストディアン兼管理会社、Securitizeは名義書換代理人・登録機関・配当支払代理人・トークン化基盤、Securitize Marketsは適格投資家向けの販売代理人である。

どんな課題を解決する?

BUIDLが取り組んだのは、私募の資金管理ファンドの公式持分記録を、承認された投資家のウォレットに置き、従来のファンド窓口より速く決済できるかという問題だった。答えは、公開チェーンの上に私募市場の管理を残す設計だった。

オンチェーン決済や担保・交換の経路は増えたが、ファンド自体は消えていない。投資家資格、申込書類、株主名簿、資産保管、営業日の償還、管理者判断が、今もトークンの利用範囲を決める。

どのような技術と仕組みで動く?

投資家はまず、現行の募集書類が定める資格審査、本人確認、ウォレット承認を通過する。申込書類が受理され、カストディアンが資金を確認すると、Securitizeが該当するデジタル持分を記録・発行する。承認済みの相手とウォレットの間なら随時オンチェーン決済できるが、名義書換代理人は不適切または無権限の移転を拒否・延期できる。

ポートフォリオ収益はクラス条件に従って株主に帰属する。2024年の発表は毎日発生した配当を毎月新規トークンで支払う仕組みを説明し、2025年のSolanaクラス発表は日次配当を掲げた。全BUIDLに同じ周期を当てはめず、現行クラス文書を確認する必要がある。

ファンド償還とトークン交換は別物だ。2024年5月のSecuritize Markets STEP申請は、名義書換記録と締切を経て営業日にNAV相当の米ドルを登録口座へ支払う流れを示し、全額償還を除く一部償還の最低額を25万ドルとしている。Circle、RLUSD、USDtb、UniswapXの経路はより速い場合があるが、別の相手方、許可リスト、条件に依存する。

管理権限は意図的に残されている。検証済みEthereumプロキシは所有者が実装先を変更でき、Securitizeの役割は発行、移転審査、停止、凍結、強制移転、焼却を行える。法的な株主記録とトークンを一致させる仕組みであると同時に、BUIDLが検閲耐性を持つ通貨ではないことを示す。

重要ファクトの要約

  • BUIDLはデジタル証券として表される議決権のない参加型ファンド持分で、汎用ステーブルコインではない。
  • 発行体は2023年設立の英領ヴァージン諸島有限会社。米国募集はRule 506(c)とInvestment Company Act Section 3(c)(7)に依拠する。
  • 2024年3月のローンチ資料と5月のSTEP申請は初回最低500万ドルとした。一方、当初のForm Dと2026年7月の修正届は、いずれも外部投資家から受け入れる最低額を10万ドルと報告した。公開資料だけではクラスや文脈の違いは解けず、現行クラス文書が優先する。
  • 2024年5月のSTEP申請は、現金、購入決済から3か月以内に満期を迎える米国債、担保付レポを記載した。認められた系列政府系マネー・マーケット・ファンドは、裏付け資産を通じて扱うことができる。現行の非公開クラス文書が優先する。
  • BlackRock Financial Managementが運用、BNY Mellonが保管・管理、Securitizeが名義書換・登録・分配・トークン化を担う。
  • 1ドルは目標であって保証ではなく、ローンチ開示は元本損失の可能性を警告する。
  • 2025年3月25日時点でBUIDLは7チェーンに展開された。このカタログページが扱うのは当初のEthereum BUIDLコントラクト0x7712…2aecで、公式アドレス0x6a9D…9041は同じファンドの別のIクラス、BUIDL-Iである。
  • 米ドルによるファンド償還、USDC・RLUSD交換、担保利用は相手方と条件が異なる別の手続きである。
  • 当初のEthereumトークンはアップグレード可能な許可型プロキシで、管理者は発行・移転審査・停止・凍結・強制移転・焼却・実装変更を行える。

公式リンク・コミュニティ

カテゴリー

関連コインを探索

よくある質問(FAQ)

BUIDLはステーブルコインですか?

いいえ。トークン化された私募ファンド持分である。約1ドルのNAVを目指し収益を分配するが、BlackRockは1ドルを維持できない場合と元本損失を明記している。

誰がBUIDLを購入できますか?

該当する私募規則、KYC・AML、ウォレット承認を満たすプロまたは適格投資家が対象。米国届出はRule 506(c)とSection 3(c)(7)に依拠し、個別資格は非公開の現行募集書類が決める。

最低投資額は今も500万ドルですか?

公開資料の数字は一致しない。ローンチ資料と2024年5月のSTEP申請は500万ドル、当初のForm Dと2026年7月27日の修正届はいずれも外部投資家から受け入れる最低額を10万ドルと記す。届出欄を全クラス共通の申込額とはみなせず、現行クラス文書の確認が必要だ。

BUIDLはいつでも米ドルに償還できますか?

公開された流れは、名義書換記録、締切、登録口座への支払いを伴う営業日NAV償還で、全額償還を除き25万ドルの最低額が説明されている。時間外のステーブルコイン交換は別の相手方取引である。

トークンを誰が管理しますか?

BlackRockが運用し、ファンド取締役会とサービス会社が法的・実務的役割を持つ。Securitizeは名簿と許可設定を管理し、Ethereum表現を発行・焼却・停止・凍結・強制移転・更新できる権限を持つ。

BUIDL-IはこのページのBUIDLと同じトークンですか?

いいえ。どちらも同じ法的ファンドのシェアクラスだが、Ethereumコントラクトは別である。このページは当初のBUIDLアドレス0x7712…2aecを扱い、BlackRockが公式一覧に載せる0x6a9D…9041はEtherscanでIクラスと表示される。

外部価格トラッカー

BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fundのリアルタイム価格と取引所を確認: