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一クリックの裏にいた五つのプログラムと三種の統治者

Kaminoは価格レンジを自動で動かす集中流動性ボールトから始まり、貸借市場、キュレーターが運用するボールト、レバレッジ商品へ広がった。利用者の作業を減らすたびに、損失の負担先と変更権限を持つ主体が新たな論点になった。KMNOは報酬と投票の仕組みを加えたが、プログラムを更新する鍵そのものにはならなかった。

資金市場より先に、価格レンジを動かすボットが来た

2022年8月、Kaminoは集中流動性ボールトとして始まった。預入者はkTokenを受け取り、ボットが資産比率の交換、手数料の回収、価格が外れた後のレンジ再構成を担った。作業は減っても、値上がりする資産を売り、値下がりする資産を買うAMMの性質や、組み直し時の価格ずれによる損失は預入者が負う。

価格がレンジ外に出ると、ボットが資金を移すまで手数料は得られない。狭いレンジは範囲内での資金効率を高める一方、価格が動いたときの介入回数と費用も増やす。画面は作業を代行しても、市場の結果までは引き受けない。

貸借市場は担保を唯一の約束にした

Borrowは貸し手の流動性を共同プールへ集め、借り手に過剰担保型の債務を作る。担保価格の下落や利息の累積で現在のLTVが上がり、清算基準へ達すると、清算者は1回につき債務の10%を閉じて0.1%-10%のペナルティーを受け取れる。

公式説明は、匿名のDeFiでは信用履歴や法的な請求先がないため、担保が返済の保証を代替すると述べる。Multiplyは同じ仕組みで借入、交換、再預入を一つの取引にまとめる。期待収益を増やすと同時に、金利や相対価格の変化から清算までの距離も縮める。

同じ「ボールト」が二つの異なる仕事を担った

当初のLiquidity Vaultは二つの資産からなるCLMMポジションを管理する。後に加わったLending Vaultは一種類の資産を受け入れ、持分を発行してKaminoの準備金へ配る。キュレーターが配分先、上限、時期を決めるため、ボールトを選ぶことは管理者の判断を選ぶことでもある。

キュレーターはKMNOの投票を経ずに配分を変え、成功報酬と運用資産残高に応じた手数料を受け取れる。許可済み準備金だけを使うボールトでは、資金の行き先が絞られる。保険プールに資金が入っていれば、不良債権の損失がボールト全体に配分された後、固定されたキュレーター資本で預入者の損失を補填する。ただし、どちらの仕組みも不良債権をなくしたり、元本を保証したりするものではない。準備金の利用率が高いと、5%-10%の待機資金を超える分をすぐに回収できず、出金が遅れることがある。

一部の市場や提携ボールトにはRisk Councilの審査があり、外部企業がリスクを分析する。審査が増えても、自動的に分散運営になるわけではない。資金配分の変更、市場パラメータへの署名、プログラム更新は、それぞれ別の権限で行われる。

100億KMNOが利用実績を配分へ変えた

2024年4月30日の配分は、コミュニティと助成35%、利害関係者と助言者35%、中核貢献者20%、流動性と財務10%だった。利害関係者・助言者の35%と中核貢献者の20%は、12か月のロック後に24か月かけて直線的に権利が確定する。25万を超えるウォレットへの7億5,000万KMNOは、コミュニティ35%の枠内から出た。

ポイント制度は2023年1月に始まった。シーズン2と3は利用と継続ステーキングをそれぞれ3億5,000万KMNOへ変えた。シーズン4は画面上の点数だけでなく、ロックされたKMNOを表示する方式へ移り、2025年11月13日に15,279人分、8,800万KMNO超の6か月権利確定が始まった。早期請求で放棄された分は最終配布枠へ戻る。シーズン5は3か月で最大1億KMNOを追加した。

トークンの追加発行は閉じても、プログラムは更新できた

KMNOには追加発行権限も凍結権限もない。2026年9月5日の供給量9,999,957,002.317521 KMNOは、100億の計画総量をわずかに下回る。ミント口座から任意に増やす道は閉じたが、財務からの放出、進行中の権利確定、季節報酬は流通量を増やし得る。

Klend、Kvault、Kfarms、Scope、Kliquidityは別々の更新可能なプログラムである。KlendとKvaultは`GzFgdRJXmawPhGeBsyRCDLx4jAKPsvbUqoqitzppkzkW`という同じ権限を共有し、残る三つはそれぞれ異なる権限を指定していた。監査後もコードは変わり得て、オラクルの更新と貸借プログラムの更新は別の判断である。

投票は実行鍵の隣に置かれた

ガバナンス画面は、KMNOをステーキングして投票力を得ること、投票参加で参加点が上がることを案内する。一方、2026年9月5日に表示された提案はなかった。以前のフォーラムが将来のガバナンス導入を繰り返し述べた後に画面ができた事実は記録できるが、空の提案一覧から拘束力のある実行履歴を作ることはできない。

Klendのソースコードは運用権限を示している。認可された役割は、所有者、Risk Council、緊急モード、借入状態、LTV、清算基準、上限、金利曲線、オラクル情報を変更できる。トークン投票が意思を示しても、署名者かプログラム上の経路が実行しなければならない。KMNOを持つだけでその署名者になるわけではない。

KMNOを会社株式、プロトコル収益の請求権、保証された元本、固定価格での償還権とする契約は確認できない。ステーカーは投票と報酬の仕組みを利用し、預入者と借り手は別々のプログラム上のポジションを持つ。プロトコルへの政治的影響力と、運営者に対する法的な財産権は同じではない。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2022-08
    自動運用のLiquidity Vaultを開始

    集中流動性の価格レンジ管理とkTokenの受取証から始まった。

  2. 2023-01
    Kamino Pointsを開始

    利用実績の点数が、後のKMNO配分基準になった。

  3. 2024-04-30
    KMNOの生成イベント

    100億KMNOの配分計画の下、約10億KMNOが初期流通し、7億5,000万KMNOのコミュニティ配布が始まった。

  4. 2024-07-31 00:00 UTC
    シーズン2の基準時点

    利用と継続ステーキングに3億5,000万KMNOを直線的に配分した。

  5. 2025-04-30
    利害関係者と貢献者のロック終了

    12か月のロック後、24か月の直線的な権利確定が始まった。

  6. 2025-05-12 00:00 UTC
    シーズン3の基準時点

    9か月のポイント期間を経て、さらに3億5,000万KMNOを配分した。

  7. 2025-08
    シーズン4が記録方法を変更

    最大1億KMNOを点数だけでなく、ロックされた報酬として表示した。

  8. 2025-11-13
    シーズン4の権利確定開始

    15,279人分、8,800万KMNO超が6か月の権利確定へ入った。

  9. 2025-11
    シーズン5を開始

    3か月で最大1億KMNOを、より多くの貸借商品へ配分した。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

Kaminoとはどんなコイン?

Kaminoは単一の資金プールではなく、Solana上で複数の金融商品を提供する仕組みである。Borrowは共同の流動性を使う過剰担保型の貸借市場、Liquidity VaultはDEXの集中流動性ポジションを管理してkTokenを発行する商品、Lending Vaultは一種類のトークンを受け入れてキュレーターが複数の貸出準備金へ配分する商品である。Multiplyは貸借機能を使ってレバレッジを組み、Farmsは報酬を配り、Scopeはオラクル情報をまとめる。

KMNOは、これらの商品とは別のガバナンス兼インセンティブトークンで、ミントアドレスは`KMNo3nJsBXfcpJTVhZcXLW7RmTwTt4GVFE7suUBo9sS`である。預金証書、ボールトの持分、債権ではない。2026年9月5日時点で小数点以下6桁の供給量は9,999,957,002.317521 KMNOで、追加発行権限と凍結権限はいずれも設定されていなかった。

どんな課題を解決する?

Kaminoのワンクリック画面は利用者が直接行う取引を減らすが、判断そのものをなくすわけではない。Liquidity Vaultのボットは価格レンジを組み直す時期を選び、Lending Vaultのキュレーターは資金をどの準備金へ配るかを決める。市場管理者とRisk Councilは上限、LTV、オラクル、緊急時の設定を変更でき、アップグレード権限を持つアドレスはプログラムコードを置き換えられる。

KMNOは二つの記録を加えた。一つは利用とステーキングを季節ごとの配分へ変え、もう一つはステーキングしたKMNOを投票力へ変える。しかし、どちらも市場パラメータの変更やプログラム更新へ自動的に署名する仕組みではない。各判断がどこで実行され、自動運用、管理判断、価格の前提が崩れたときに誰が損失を負うのかを分けて考える必要がある。

どのような技術と仕組みで動く?

Borrowは貸し手の流動性を共同プールへ集め、借り手に過剰担保型の債務を作る。担保価格が下がったり利息が積み上がったりすると現在のLTVが上がる。最大LTVは新たな借入を制限し、清算LTVに達すると清算者が処理できる。現行文書では1回につき債務の10%を閉じ、ペナルティーは0.1%-10%の範囲で変動する。Multiplyは借入、交換、再預入を一つの取引にまとめ、期待収益と清算への敏感さをともに増幅する。

Liquidity Vaultは片方の資産だけを預けた場合も必要な交換を自動で行い、手数料と報酬をkTokenの交換比率へ再投資する。ボットはCLMMの価格レンジを閉じて組み直す。Lending Vaultは別の商品で、キュレーターが一種類の預入資産を複数の貸出準備金へ配分し、持分トークンを発行する。キュレーターは投票なしで配分を変更し、成功報酬と運用資産残高に応じた手数料を受け取れる。許可済み準備金は投資先を絞り、保険プールに資金があれば、損失を配分した後に固定されたキュレーター資本で預入者を補填する。それでも不良債権は起こり得る。利用率が高ければ、5%-10%の待機資金を超える出金は遅れることがある。

主要五つのプログラムには別々のアドレスと有効な更新権限がある。Klendは`KLend2g3cP87fffoy8q1mQqGKjrxjC8boSyAYavgmjD`、Kvaultは`KvauGMspG5k6rtzrqqn7WNn3oZdyKqLKwK2XWQ8FLjd`、Kfarmsは`FarmsPZpWu9i7Kky8tPN37rs2TpmMrAZrC7S7vJa91Hr`、Scopeは`HFn8GnPADiny6XqUoWE8uRPPxb29ikn4yTuPa9MF2fWJ`、Kliquidityは`6LtLpnUFNByNXLyCoK9wA2MykKAmQNZKBdY8s47dehDc`である。2026年9月5日時点でKlendとKvaultだけが同じ更新権限を共有していた。KMNOの追加発行権限を廃止しても、アプリケーションのコードや市場設定まで固定されるわけではない。

重要ファクトの要約

  • KMNOのミントは`KMNo3nJsBXfcpJTVhZcXLW7RmTwTt4GVFE7suUBo9sS`。小数点以下6桁で、追加発行権限と凍結権限はない。
  • トークン生成イベントは2024年4月30日。配分の基準総量は10,000,000,000 KMNO。
  • 配分はコミュニティと助成に35%、利害関係者と助言者に35%、中核貢献者に20%、流動性と財務に10%。
  • 利害関係者・助言者の35%と中核貢献者の20%は、12か月のロック後に24か月かけて直線的に権利が確定する。
  • 初回配布は750,000,000 KMNOで総量の7.5%。25万を超えるウォレットが対象になった。
  • シーズン2と3は各350,000,000 KMNO、シーズン4と5は各最大100,000,000 KMNO。
  • 2025年11月13日、15,279人を対象に88,000,000 KMNOを超えるシーズン4分が6か月の権利確定を始めた。
  • 現行文書の清算は1回につき債務の10%を閉じ、ペナルティーは0.1%-10%の範囲で変動する。
  • Liquidity Vaultとキュレーター型Lending Vaultは、受取証もリスクも異なる商品である。
  • Klend、Kvault、Kfarms、Scope、Kliquidityは2026年9月5日時点でいずれも更新可能だった。
  • KMNOのステーキングは報酬配分と投票力を高めるが、確認時のガバナンス画面に提案はなかった。
  • 株式、固定価格での償還、プロトコル収益の所有権、預金保険としての権利は確認できない。

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よくある質問(FAQ)

KMNOはKaminoへの預入を示す受取証ですか?

いいえ。Borrowへの預入、Liquidity VaultのkToken、Lending Vaultの持分は商品ごとのポジションであり、KMNOはインセンティブ兼ガバナンストークンです。

KMNOを追加発行できますか?

2026年9月5日時点で追加発行権限と凍結権限は設定されていません。既に割り当てられた財務、権利確定中の分、季節報酬は流通へ入る可能性がありますが、このミント口座から新たに発行することはできません。

KMNOをステーキングすると何ができますか?

季節報酬の加算率と投票力が上がります。確認時に提案はなく、ステーキング自体がプログラム更新や市場パラメータ変更へ署名するわけではありません。

貸借市場のリスク設定は誰が変えますか?

Klendの管理者とRisk Councilの役割には、LTV、清算、上限、オラクル、緊急時設定を変える権限があります。外部のリスク担当者が助言や運用を行い、認可された口座が変更を実行します。

自動運用のボールトは無リスクですか?

いいえ。Liquidity Vaultには変動損失、価格レンジ、組み直し費用のリスクがあり、Lending Vaultにはキュレーターの配分判断、手数料、不良債権、出金遅延のリスクがあります。

KMNOは会社の持分や収益を受け取る権利ですか?

そのような法的権利は確認できません。投票や報酬の機能だけで、会社株式、財務資産の所有権、固定償還、債権者としての優先権、保険請求権が生じるわけではありません。

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