Felix feUSD

feusd
CoinYQ コイン史

1つのステーブルコイン、4つの担保区画、そして中央制御盤

feUSDの残高の背後には、借り手の債務、損失を引き受ける安定化プール、値動きする暗号資産への償還権という三つの立場が重なる。Felixはそれらを一つのトークンで結びながら、担保ごとにリスクを隔離し、権限保有者には各区画の設定を組み替えられる制御盤を残した。

「Felix」という名前より先にコントラクトを確かめる

ここで扱うのはHyperEVM上のfeUSDプロキシ0x02c6…6c70だ。文書に記載されたシステムアドレスを通じてHyperCoreのスポット市場と接続する。FelixのUSDhl/HUSD、新しい取引サービス、名称が似ているだけのFEIやFUSDとは別物である。Felixというブランドが複数の金融商品を覆う今、まずコントラクトで対象を特定する必要がある。

公開デプロイ記録では、一つのfeUSDの下にWHYPE、UBTC、kHYPE、wstHYPEの各担保部門が分かれている。これに対し、古いFAQが挙げるのはHYPEとUBTCだけで、担保追加は将来の予定とされる。この食い違いは資料の時点差として扱うべきであり、一覧にある全担保が現在も預け入れ可能だとは断定できない。

トローブは手放さない担保を流通債務へ変える

借り手は認められた資産を担保部門のトローブに入れ、金利を選び、その部門の最低担保率と債務上限を守りながらfeUSDを発行する。各ポジションには固有の担保、債務、金利が記録される一方、発行されたfeUSDはトローブの外へ流通できる。

供給量は借り入れ、初期手数料、利息総額によって増え、返済、償還、清算処理でfeUSDが焼却されると減る。最大供給量がないのはこの会計設計の一部だ。実際の上限になるのは配布予定表ではなく、各担保部門の債務余力と担保の健全性である。

ペッグを戻す償還は低金利の債務から進む

feUSDが目標価格を下回ると、保有者には経済的な出口がある。feUSDを焼却し、手数料を差し引いて、オラクル価格に基づく複数の担保を受け取る。CollateralRegistryは各担保部門の総債務から、その部門の安定化プールが保有するfeUSDを差し引いた額に比例して償還を振り分け、その中では年利の低いトローブから処理する。

ただし、この下支えが働くには、担保、価格情報、償還取引が正常でなければならない。リポジトリはオラクル価格の古さと先回り取引の問題を開示している。価格情報が取得不能、ゼロ、古い状態になると担保部門が停止しうる。最後に確認できた価格を使う処理は退出経路を残す一方、古い評価額を表示する原因にもなる。

利回りを得る預金は清算損失の最前列に立つ

安定化プールへの預け入れは、feUSDを利息口座に置くだけではない。トローブが基準を下回ると、預けられたfeUSDを焼却して債務を相殺し、プールは差し押さえた担保を受け取る。プールだけで足りなければ、公開設計では清算時の即時資金供給を使うか、残った借り手の間で債務と担保を再配分できる。

利回りの源泉も同じ債務帳簿にある。ActivePoolは借り手の利息総額に相当するfeUSDを発行し、設定された割合を安定化プールへ、残りを報酬ルーターへ送る。表示利率には新規発行された債務利息と値動きする清算担保が関わりうる。Felix Labs Incが支払う固定利息ではない。

トークン所有者がゼロでも、プロトコルの管理者は残る

確認時にトークン所有者がゼロアドレスだったのは、初期所有者がCollateralRegistryを設定した後、所有権を放棄する設計だからだ。その後、発行と焼却を呼び出せるのは登録済みのシステムコントラクトに限られる。ERC-20を任意に発行できる範囲は狭まるが、周辺のプロトコルまで固定されたわけではない。

より広い制御面を担うのがAdminControllerだ。各権限は価格情報、MCR、CCR、利回り、債務上限、ルーター、実装の変更を提案・適用し、担保部門を追加し、緊急停止と再開も行える。稼働中のプロキシが指す実装は0x4443…2598である。全権限保有者は確認できず、完全に変更不能だとはいえない。

利用規約はFelix Labs Incを画面の運営者としつつ、トークン取引とスマートコントラクトの結果に伴うリスクを利用者へ負わせている。ガバナンス権と会員権も否定する。送金、コードを通じた償還、プールへの預け入れは、株式、投票権、預金保険付きのドル、運営会社の収益に対する請求権にはならない。

プロジェクトが変化してきた過程

  1. 2024-12
    Felix独自の変更に対する監査が公開される

    監査ページに、Liquity V2を基礎としてFelixが加えた変更を対象とするDedaubとCoinspectのレビューが掲載された。

  2. 2025-03-07
    HyperEVMへの初期デプロイが記録される

    リポジトリのブロードキャスト記録とchain-999のマニフェストに、メインネット初期コントラクト一式が残る。

  3. 2025-03-14
    feUSDプロキシが実装0x4443…2598へ移る

    HyperEVMScanは、基準トークンで有効になった実装のアップグレードを記録している。

  4. 2025-04-11
    追加の担保部門が登録される

    初期デプロイ後に実行されたAddCollateralトランザクションがリポジトリに残されている。

根拠と一次資料

最終根拠確認日: 2026-09-05

Felix feUSDとはどんなコイン?

feUSDは、HyperEVM上のFelix ProtocolのCDP市場で流通する債務単位だ。基準となる資産は小数点以下18桁のプロキシ0x02c6…6c70で、HyperCore側のスポット表現は別に索引されている。利用者は認められた暗号資産を担保にfeUSDを発行し、保有者は銀行預金のドルを請求するのではなく、プロトコル上の償還機能を使う。利用規約ではFelix Labs Incが画面の運営者とされるが、feUSD自体に議決権、会員権、持分権、収益分配を受ける権利は確認されていない。

どんな課題を解決する?

Felixが目指すのは、担保資産を売らずにドル連動の流動性を引き出せるようにすることだ。借り手は資産をトローブに預け、feUSDを借り入れる。ただし、この仕組みは複数の帳簿にまたがる。担保ごとに最低担保率、債務上限、プール、価格オラクルが分かれる一方、feUSDと償還経路は共通だ。公開FAQとデプロイ記録では担保一覧の時点が異なるため、トークン名だけでは現在利用できる担保部門を判断できない。安定化プールの利回りには清算損失を引き受ける面があり、運営権限による変更余地も残る。

どのような技術と仕組みで動く?

BorrowerOperationsは、担保部門ごとのトローブに債務を記録しながらfeUSDを発行する。利息で債務が増えると、その合計利息に相当するfeUSDが新たに発行され、安定化プールと報酬ルーターへ配分される。返済時にはfeUSDが焼却される。償還では、保有者のfeUSDを焼却し、変動手数料を差し引いてオラクル価格相当の担保を渡す。各担保部門の総債務から、その部門の安定化プールが保有するfeUSDを差し引いた額に比例して償還を振り分け、その中では年利の低いトローブから処理する。最低担保率を下回ったトローブは清算され、安定化プールのfeUSDで債務を相殺して預金者へ担保を渡す。AdminControllerは債務上限、価格情報、利回り配分、実装を変更でき、担保部門の停止と再開も行える。

重要ファクトの要約

  • HyperEVM上の基準feUSDは0x02c6a2fa58cc01a18b8d9e00ea48d65e4df26c70で、小数点以下18桁。CoinGeckoはHyperCore側の表現を別に索引している。
  • 担保を一つの準備資産プールにまとめず、共通のfeUSDとCollateralRegistryが、互いに分離された担保部門を調整する。
  • 認可されたBorrowerOperationsとActivePoolが発行し、返済、償還、清算の各経路で焼却する。固定された最大供給量はない。
  • デプロイ記録にはWHYPE、UBTC、kHYPE、wstHYPEが載る一方、古いFAQはHYPEとUBTCだけを挙げ、担保追加を将来の予定としている。
  • 償還で受け取るのは、変動手数料を差し引いたオラクル価格相当の担保であり、米ドル現金との交換を約束する契約ではない。
  • 清算時には安定化プールのfeUSDが焼却されることがある。預金者は清算担保と、新規発行されたfeUSDによる利息収益を受け取る。
  • ChainlinkやRedStone系の価格情報が取得不能、ゼロ、古い状態になると、担保部門の停止や古い価格による損失につながりうる。
  • AdminControllerは、債務上限、価格情報、利回りの配分先、実装を変更し、担保の追加や担保部門の停止・再開も行える。
  • 2026-09-05時点で、供給量は約10,250,756.654947292 feUSD、実装は0x444322c3c54908fa5a7842a4f3ff085ec67f2598で、トークン所有者はゼロアドレスだった。
  • Felixの文書が示すHyperCore転送先は0x20000000000000000000000000000000000000f1。連携されたスポット残高にはHyperliquidが別途示す注意点がある。
  • 利用規約上のプラットフォーム運営者はFelix Labs Incであり、同規約ではfeUSDにガバナンス権や会員権は付与されない。
  • feUSDはFelixのUSDhl/HUSD、名称の似たFEI/FUSD、Felixの株式・無期限先物取引サービスとは別の資産だ。

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よくある質問(FAQ)

feUSDの裏付けは何ですか?

担保部門ごとのFelixトローブに預けられた暗号資産が債務を支える。発行者の銀行口座にある現金ではなく、担保価値、オラクル価格、清算、安定化プールの厚みによって支払い能力が左右される。

feUSDを1米ドルに交換できますか?

プロトコル上ではfeUSDを焼却し、変動手数料を差し引いた約1ドル相当の担保をオラクル価格で受け取れる。これは担保の償還であり、Felix Labs Incが米ドル現金の支払いを法的に約束するものではない。

安定化プールの利回りはどこから生まれますか?

借り手の利息総額に相当するfeUSDを発行し、設定された割合を同じ担保部門の安定化プールへ送る。預けたfeUSDが不良債務の相殺で焼却される代わりに清算担保も受け取るため、収益は変動し、保証されていない。

feUSDの供給量に上限はありますか?

固定上限は確認できない。借り入れとシステム内の利息で供給が増え、返済、償還、清算処理で減る。2026-09-05時点の総供給量は約1,025.1万feUSDだった。

Felixの管理者は仕組みを変更できますか?

できる。公開コードには、担保部門の停止・再開、価格情報、債務上限、担保追加、報酬配分、アップグレードを扱う権限がある。公開資料だけでは、現在の全権限保有者や稼働中のタイムロックの全容までは確定できなかった。

feUSDに投票権や会社に対する権利はありますか?

ない。確認した利用規約はガバナンス権と会員権を明確に否定している。株式、準備資産の所有権、利益分配、法的に保証された利回りも確認できない。

HyperCoreのfeUSDは別のトークンですか?

HyperEVM上のERC-20と連携するCore側のスポット表現だ。転送にはシステムアドレスを使うが、Hyperliquidは、完全に同一の資産だと決めつけず、連携状態、残高、ERC-20の挙動を確認するよう求めている。

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